諦めないカープは怖い存在 思い出す1991年の逆転優勝 達川氏「状況がそっくりじゃ」サミットも影響?

 「広島東洋カープ6-0阪神タイガース」(17日、マツダスタジアム)

 広島は床田寛樹投手の今季2度目となる完封勝利で首位阪神とのゲーム差を「7」とした。“直接対決”は2勝1敗で辛くも勝ち越し。野球評論家の達川光男氏は「負ければほぼ終わり」の状況で3戦目を取り、「1つ縮めた」意義を強調した。

  ◇   ◇

 カープは“負ければほぼ終わり”だったこの試合に勝ったのは大きい。阪神にマジックが出て数字的に苦しいのは確かだが、まだまだ分からんですよ。

 思い出すのは1991年。今と同じような夏場の戦いで、最終的にはカープがひっくり返したからね。

 (1991年は7月13日時点で、首位中日との間に最大7・5ゲーム差をつけられていた広島が少しずつ差を縮め、8月13日からの中日3連戦に勝ち越し。逆転優勝への可能性を残した)

 あの時の相手は中日だったけど、状況がそっくりなんじゃ。だから今回も3連勝こそできなかったが、負け越さずに1つ縮めたことには意義がある。

 (そして広島は8月末からの直接対決3連戦を2・5ゲーム差で迎えた。ところが、1、2戦目を落とし、4・5ゲーム差に開いたあとの3戦目…)

 あの試合は九回に大野(豊)が(落合博満に)3ランを浴びて、同点にされてしもうてね。しかし、その裏に原伸次が打ってサヨナラ勝ち。それで息を吹き返したんじゃね。負けたら5・5ゲーム差になる試合。残り20数試合で、もう終わっていたところですよ。

 (9月に入り一気に加速した広島は10日からの“尾張決戦”で3連勝。ついに逆転して首位に立った)

 1986年の優勝も(10月に入って巨人を)ひっくり返して優勝してますからね。1度あることは2度ある。2度あることは3度あるということ。

 カープにはV経験者が大勢いる。これは心強いですよ。菊池なんか張り切って、何回ファインプレーをしたことか。「いける!」と思ってるはずですよ。

 上本や小園もケガしたみたい。しかし、ショートに入った矢野は西武の源田のような華麗さはないが、守備範囲と肩は負けてない。

 試合に出たい選手はみんな生き残るために必死で頑張っているからね。こういう選手の多い集団は諦めるということがない。

 投手陣は床田と森下が中心。大瀬良が心配だが、アンダーソンや遠藤、玉村らがおる。調子のいい投手をどんどん投げさせればいいんですよ。

 ドーム続きの阪神はこの広島での3連戦、きつかったはず。18日からは横浜ですよ。“勝ち疲れ”もあるかもしれないしね。カープは地元マツダで巨人を待ち受ける。これらがどう出るか。

 (8月17日現在で広島は残り35試合。そのうちホームが20試合。ロードが15試合。今年はこれまでホームで34勝17敗1分け)

 高い勝率のホームが多いだけに期待がもてる。これも5月に開かれたG7広島サミットの影響じゃろうね。(優勝は)諦めたらその時点で終わり。諦めないカープは本当に怖いと思いますよ。

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