〝不敗神話〟途切れた広島・堂林「気持ち切り替えて」 〝ノーノー阻止〟の防御率0点男から6号「自分の体を信じて」
「中日ドラゴンズ2-1広島東洋カープ」(13日、バンテリンドーム)
一塁を回ったところで、広島・堂林翔大内野手が右手を突き上げた。割れんばかりの大歓声を浴びながらダイヤモンドを一周。難敵から一矢報いた一撃が、敵地に興奮を呼ぶ。相手守護神から放った先制の6号ソロ。決勝打にならなかったことが口惜しい。それでも、一発の価値は色あせなかった。
0-0の延長十回2死。打線は無安打が続いていた。しかも九回“ノーノー”で降板した柳の後を継ぎ、マウンドに上がったのは今季ここまで防御率0・00のマルティネス。とてつもなく分厚い壁が立ちはだかったが、3球目のスライダーを完璧に仕留めた。「自分の体を信じて、反応できたという感じです」。左中間へ突き刺し、重い扉をこじ開けた。
マルティネスに今季初、昨年9月9日・巨人戦・丸以来の一発を見舞って勝利への執念を体現。新井監督も「(防御率)0・00のピッチャーだからね。本当にいいホームランだった」と絶賛した。
カード初戦の11日は2点を追う七回に起死回生の同点2ラン。自身が本塁打を打った試合は2020年9月19日・ヤクルト戦から12連勝中だったが“不敗神話”は途切れてしまった。
15日からは本拠地で6連戦。堂林は「気持ちを切り替えて一週間、戦っていきたい」と口元を結んだ。何より求めるのはチームの白星。そこへつながる快音を奏でていく。




