広島デビッドソン 3位浮上の53日ぶり弾 長男がスラィリー人形手にルンルン帰宅 「子どもたちの前でうれしいよ」
「広島3-2巨人」(25日、マツダスタジアム)
広島はマット・デビッドソン内野手(32)が7号2ランを放つ活躍を見せ、3位に浮上した。二回2死一塁から左翼席へ突き刺し、5月3日のDeNA戦以来、53日ぶりのアーチとなった。打撃練習から中堅方向を強く意識したスイングを繰り返すことで、力まずに失投を捉える確率が上がった。本塁打は7本中4本が巨人戦と“Gキラー”ぶりを発揮した一発だった。
青空へ放った3位浮上弾だ。拍手喝采を浴びながら、デビッドソンがダイヤモンドを一周する。先制パンチの7号2ラン。「勝ちに貢献できて良かったよ」。自慢のパワーで左翼席へ突き刺した。
0-0の二回2死一塁で、高めに浮いた変化球を捉えた。5月3日のDeNA戦以来、53日ぶりの一発。山崎伊の失投を仕留められたのは、打撃練習での意識改革の成果だ。
「スイングの部分で中堅方向を意識している」
コーチ陣からの助言を受け、引っ張ることをやめた。体の開きが抑えられ、低めの球を見逃せるようになったことで、理想のポイントで捉えられる確率が徐々に高まってきた。
「本当に練習熱心」と朝山打撃コーチは言う。数日前、自身と西川らの打撃映像を見比べたという。「日本で成功している打者と比べて自分は体の開きが早いと言っていた」と同コーチ。練習前の打撃練習も日課。日本野球に対応するために、どんな努力も惜しまない姿勢が頼もしい。
家族に贈る本塁打でもある。6月上旬に妻、長女、長男の3人が来日した。来日当時は故障で2軍再調整中だったこともあり、活躍する姿を見せることができなかった。
「家族が来日してから良いところを見せようと思ってやっている。子どもたちの前でホームランが打てたのはうれしいよ」
試合後、長男は本塁打を放った選手だけがもらえるスラィリー人形を手に帰宅の途に就いた。そのうれしそうな表情が、これからも続く戦いの新たな活力になった。
新井監督が「さすがのパワー」とうなった今季7本目のアーチ。巨人戦では4本目となり“巨人キラー”ぶりを見せつけたと言ってもいい。それでも「もっと幅を広げていきたい」と助っ人。巨人以外の4チームとの一戦でも力強い放物線を何本も描く意気込みだ。
巨人に代わって3位に浮上した。「交流戦前までは成績が残せなかった。今後、良い成績を残していきたい」。27日からは首位・DeNAとの3連戦。自慢のパワーで勝利を呼び込む。





