カープ栗林 3年目で初の登録抹消 守護神“代役”固定せず、指揮官「ブルペンみんなで」
広島・栗林良吏投手(26)が1日、右内転筋の強い張りで出場選手登録を抹消された。4月30日にトレーナーから報告を受け、この日の状態を見て新井貴浩監督(46)が決めた。2日に病院を受診する見込みで、指揮官は「焦ることなく、万全にして治してほしい」と完治優先を強調。チーム全員で守護神の穴を埋めていく。
3、4月の戦いを終えたチームに激震が走った。守護神・栗林が出場選手登録を抹消された。登録抹消はプロ3年目で初。新井監督は「30日にトレーナーから右足の内転筋に強い張りが出ていると報告があった。(30日は)ベンチを外した。一日たち、今日の程度を見て決めた」と経緯を明かした。
不動のクローザーとして君臨してきた栗林だが、今季はここまで12試合で0勝4敗7セーブ。防御率5・56。本来の姿は影を潜めていた。
「自分が抹消を判断した。焦ることなく、万全にして治してほしい」と指揮官。栗林自身の責任感の強さも理解した上で「本人は『大丈夫です』と言ったが、コンディションのことになると、また段階が変わってくる。それはこちらがストップしないといけない」と抹消に踏み切った理由を説明した。
侍ジャパンの一員として参戦した3月のWBCは、腰の違和感で1次ラウンドで離脱。今季初登板の4月4日・阪神戦(マツダ)では同点の九回2死二塁で決勝点を献上し、以降は2度のサヨナラ負けを含めて4敗を喫していた。
右腕はこの日、帰広して2日に病院を受診する予定。再調整期間のメドや2軍戦で登板する可能性について新井監督は「それは診断を受けてからの判断になる。フィジカルを整えてから。疲れもあったと思う。野手と違って、彼のポジションは不安を抱えたままではできない」。1球で勝負が決まる場面で腕を振る役割だからこそ、ベストな状態に戻すことを最優先に考えていく。
1軍の空いた枠には2軍から塹江を昇格させる。代役守護神は固定しない方針で、新井監督は「一人に決めず、ブルペンみんなで頑張っていく。点差などを加味しながら」と一致団結して大きな穴を埋める構図を描く。
現在、開幕投手を務めた大瀬良も左太もも裏痛で離脱中。反攻を期す5月戦線だが、エースと守護神を欠く事態となった。2日からは首位・DeNAと敵地で3連戦。チーム一丸で窮地を乗り越える。





