カープ新井監督 ドラ1斉藤よ「黒田さんになれ」 大器の予感にホレボレ

新井監督(左)、近藤スカウト(右)から指名あいさつを受け笑顔の苫小牧中央・斉藤(撮影・佐々木彰尚)
新井監督(左)から「リラックス」と声をかけられる斉藤
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 広島の新井貴浩監督(45)が21日、ドラフト1位・斉藤優汰投手(18)=苫小牧中央=に対し、かつての大黒柱・黒田博樹氏のようなエースになってほしいと言葉をかけた。この日、苫小牧市内の同校に指名あいさつに訪れ、直接伝えた。最速151キロを誇る本格派右腕は将来性十分で、投球でも精神面でも、チームを支える存在になることを願った。

 恵まれた体格に、新井新監督は大器の片りんを感じた。斉藤は自身と同じ身長189センチ。「まず、大きいなと。すごくいい体をしている」。自身の高校3年時とははるかに違う。無限の可能性を秘めた姿に心が躍った。

 約40分の指名あいさつ。新指揮官は、斉藤にかつてのレジェンド投手を重ね合わせた。

 「エースになってほしい。最終的には黒田さんのようにチームのために腕を振れる、そんなエースになってほしいと伝えました」

 ドラフト会議前に目にした映像に、背番号「15」の姿が重なった。力強く腕を振り、最速151キロの直球を投げ込む。打者をねじ伏せる姿が大エースと同じだった。

 「まだ体が成長段階なのに、地(素地)の強さというか、黒田さんとかぶります。馬力という点でも共通する」。感じたすごみを言葉に変えた。

 投球に加え、人間性でも黒田氏のようになってほしいと願う。同氏の代名詞は“男気”。中継ぎ陣の負担軽減を考えて無理をしてでも投げ続けるなど、チームを最優先にする姿が印象的だった。新井新監督は、自身を犠牲にしてでもチームを守る黒田氏を何度も見てきた。

 自分のためだけではなく、誰かのために死力を尽くす。それがエースの姿。斉藤は新指揮官の思いに応える意気込みだ。

 黒田氏の投球は、広島が1位指名を公表する以前から動画サイトで目にしてきた。16年の日本ハムとの日本シリーズ第3戦で登板した姿はテレビで見た。将来性豊かな本格派右腕は「そういうふうに思ってもらえて光栄です。(黒田氏は)仲間思いの選手だと聞いているので、自分もそういうふうになれたらなと思います」と力を込めた。

 プロ入りまでの間は体作りに注力する。新井新監督は「オーバーワークになるのだけは気をつけてほしい」と語りかけた。将来のチームを背負う逸材。大きな投手になってほしいと期待している。

 ◆春季Cは2軍スタートの方針 新井新監督が斉藤の来春キャンプについて、2軍スタートの考えを示した。体などプロで戦える土台作りを目的とするためで「焦らせたくない。ドラフト1位だし、どうしても注目される。1軍のキャンプに連れて行っても、絶対にオーバーペースになる。落ち着いたところで、じっくりしっかりとやってほしい」と意図を説明した。

 ◆斉藤 優汰(さいとう・ゆうた)2004年5月27日生まれ、18歳。北海道出身。189センチ、91キロ。右投げ左打ち。投手。今夏の南北海道大会では準決勝で札幌大谷に敗戦。苫小牧中央では甲子園出場経験なし。直球の最速は151キロ。持ち球はスライダー、カーブ、フォーク。奪三振率の高い本格派右腕で、2学年上に根本悠楓(日本ハム)がいる。

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