広島・羽月「よっしゃー」プロ初V撃 逆転でDeNA撃破 CS諦めん!4位再浮上

 7回、左前に勝ち越し打を放つ羽月(撮影・高石航平)
 7回、勝ち越し打を放ち、塁上で驚いた表情を見せる羽月(撮影・高石航平)
 ヒーローインタビューを終え、スタンドのファンに「ありがとうございました!」と絶叫する羽月(撮影・高石航平)
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 「DeNA3-5広島」(16日、横浜スタジアム)

 広島がシーソーゲームに競り勝った。羽月隆太郎内野手(22)が七回、3-3の同点に追いつきなお2死三塁で決勝の左前適時打を放った。羽月の一打を含め、この回3本の適時打で逆転に成功。粘り強い攻撃で白星をもぎ取り、勝率で巨人を上回って4位に再浮上した。3位・阪神とのゲーム差も1・5に縮めた。

 誇らしげに、力強く左拳を横浜の夜空に突き上げた。やってのけた大仕事に、三塁側ベンチからは拍手が巻き起こる。しびれる展開の七回。羽月がプロで初の決勝打となる左前適時打を決めた。

 「本当に、必死に食らいついていこうとしか考えていなかった。ああいう結果になって良かった。よっしゃーという気持ちでした」

 会沢が右中間へ適時二塁打を放ち、3-3。なおも2死三塁で打席に立った。伊勢のスライダーをたたきつけると、打球は三遊間を破り左前へ。しぶとく、泥臭く。持ち味を存分に発揮する一打だった。

 この試合前まで、今季の1打席を含めて伊勢から過去に安打を放ったことはない。イメージや球筋は「あんまりなかった」。念頭に置いていたのは「食らいつく」こと。シンプルな考えが最高の結果に結び付いた。

 急きょの出番に応えた。スタメン出場を予定していた上本が、試合前の練習中に打球が下半身に当たった影響で出場を回避した。佐々岡監督は、チームのピンチで存在感を示した若鯉を「そこで羽月が打ってくれたのが大きい。反対方向に意識があったと思うし、良い仕事をしていると思う」とたたえた。

 負けられない戦いが続く。自力でのCS出場の可能性が消えている現在、勝ち続けることでしか道を切り開くことができない。

 逆転した七回は5安打で3得点。会沢の一打で追い付き、羽月が勝ち越し打。マクブルームも流れに乗り左前適時打でリードをさらに広げた。

 六回に一度は試合をひっくり返されたものの、直後に見せた粘り強い攻撃。今季、掲げたつなぎの野球で勝ち取った白星は、チームのムードを高めるに違いない。

 4位に再浮上し、3位・阪神とのゲーム差を1・5差に縮めた。羽月はヒーローインタビューで「まだクライマックス、日本一に向けて選手は頑張りますので、応援よろしくお願いします」と力を込めた。残り7試合。死力を尽くして一丸で勝利をもぎとっていく。

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