カープ 松山で連敗脱出!延長十回1球で仕留めた!3タテ許さず連敗「6」で止めた

 延長10回、勝ち越し適時二塁打を放ち小窪コーチ(手前)とハイタッチをかわす松山(撮影・開出牧)
 延長10回、生還した矢野(左から2人目)を笑顔で迎える広島ナイン
 延長10回、勝ち越しの左越え適時二塁打を放つ松山(撮影・開出牧)
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 「ヤクルト2-3広島」(25日、神宮球場)

 広島が接戦を制して連敗を6で止めた。同点の延長十回、2死一塁で代打・松山竜平外野手(36)が勝ち越しの適時二塁打を放って勝負を決めた。負ければ今季ワーストタイの7連敗という危機を、ベテランが救った。26日からは0・5ゲーム差で追いかける4位・巨人と本拠地で3連戦。一丸で、上位浮上への望みをつなぐ。

 願いを乗せた打球は夜空に向かって伸び、左中間を破った。二塁に達した松山は、ベンチを飛び出して祝福するナインに向かって両手を突き上げた。長いトンネルをさまよったチームを救った、こん身の一振り。初球で決めたところに、ベテランの技と集中力が凝縮されていた。「自分の打撃は初球からどんどん振っていく打撃。それができて良かった」と汗をぬぐった。

 嫌なムードを拭い去り、気持ちで運んだ。延長十回。無死一塁から会沢が犠打を試みるも投ゴロ併殺に倒れて好機の芽がしぼんだ。だが、2死から矢野が右前打で出塁。「とにかく矢野が回してくれたら、絶対打ってやろうと思っていた」。梅野の初球146キロを思い切り叩き、決勝の左中間二塁打。ナインのミスを帳消しに、若鯉の執念をバットに込めて敵地の鯉党を揺らした。

 チームは6連敗中。ナインが苦しむ中、「どこでもいけるように準備している。いつ言われてもいいように」と、来るべき出番に備えていた。負ければ今季ワーストに並ぶ7連敗になる窮地を救った勝負強さ。先週17日の中日戦でも延長十一回に初球を捉えてサヨナラ適時打を放ったことは記憶に新しい。

 この日も初球で決めた。「それで、ここまでやってこられているから。そうやって結果を出しながら、チームのためにやれることをやるだけ」。機を逃さず、円熟味を増す打撃に勝負師の誇りがにじむ。殊勲の一打に河田監督代行も「高めの球を見事に叩いてくれたし、矢野がよくつないだね」と興奮気味に振り返った。

 昨年は85試合の出場で、7年ぶりに100試合未満の出場にとどまった。「一番悔しい年になった。とにかく悔しい、しかない」と悲壮な決意で望んだ今季。先発出場の機会が少なくても、チームに貢献したい思いが自身を突き動かしている。

 26日からは本拠地に戻って4位・巨人との3連戦が待つ。「チームに貢献できているなら、それはそれでいいこと。また、あしたからもあるしね。できることをやるだけ」と松山。反攻へ、不屈の闘志に宿った火は、まだまだともり続ける。

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