広島・末包 再昇格へ“ゆとり”持った打撃を

 広島のドラフト6位・末包昇大外野手(26)が“ゆとり”を持った打撃を目指している。開幕スタメンを果たすも5月23日に出場選手登録を抹消され、現在はプロ入り初の2軍で調整中。1軍での打席を客観的に振り返りつつ、冷静さを保つ重要性を再確認した。持ち味の長打力を失うことなく、再昇格に向けて汗を流す。

 2軍の由宇球場で、力強い打球音が響く。やはり、その飛距離には見る者を引きつける魅力がある。2軍調整中の末包は現状について「全体的に右肩上がりで、徐々に良くなってきているなと感じています」と一定の手応えを明かした。

 今季はキャンプから1軍に帯同。3月25日、DeNAとの開幕戦に「7番・右翼」で名を連ねると、球団史上64年ぶりとなる新人の開幕戦猛打賞を記録。4月2日にはプロ初本塁打を放つなど、順調な滑り出しを見せた。だが5月中旬からは相手先発投手との兼ね合いなどもあって、途中出場が増加。それでも決して、絶不調というわけではなかった。

 1軍での打席を改めて振り返り「(来た球を)全部打ちに行こうという感じがあった」と分析。その上で「全部打ちに行く気持ちをなくして、少しゆったりとした気持ちでやれている感じはありますね」とうなずく。過度な積極性を抑え、気持ちの面での“ゆとり”を重視する。

 確かに本人が話す通り、1軍では外角に逃げるボールゾーンへの変化球にバットが空を切る場面が目立っていた。結果を出したい焦りから、バットが止まらない打席もあった。

 「変化球の見極めもですし、もっと冷静になって打席に立てれば良かったなと。今思うとそんな感じかなと思います。何でもかんでも打ちたいという気持ちだった」。凡打の内容だけでなく、凡打になった場面での心境を思い返して、打開策を探った。「いったん冷静になって」とクールさも持ちながら、試行錯誤を重ねている。

 1日のウエスタン・オリックス戦では三回先頭で増井から右越えにソロ。2軍降格後初本塁打だった。ここまで、2軍では10試合で打率・100、1本塁打、1打点。完全復調の段階ではないが、目先の数字だけには縛られない。「自分の中でも納得する形で1軍に呼ばれるように。呼ばれた時も結果を残せるようにしたい」。自身の感覚を突き詰め、再び1軍で大暴れする。

 ◆末包 昇大(すえかね・しょうた)1996年5月27日生まれ、26歳。香川県出身。188センチ、110キロ。右投げ右打ち。外野手。白峰中から高松商を経て東洋大に進学。大阪ガスを経て2021年度ドラフト6位で広島に入団。開幕戦の3月25日・DeNA戦でプロ初出場初スタメンを果たし、球団64年ぶりとなる新人の開幕戦猛打賞を達成。4月2日・中日戦でプロ初本塁打。今季推定年俸1000万円。

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