カープ2軍 林“4番候補”復活へ出直し 

 4年目の広島・林晃汰内野手(21)が苦しんでいる。昨季はプロ初本塁打から10本塁打を記録。今季は鈴木誠也が抜けた4番の候補として期待された。だが、オープン戦では12試合、打率・192、0本塁打、2打点に終わると開幕1軍から漏れた。2軍でも打率・179、1本塁打、10打点(29日現在)と結果を残せていない。現状への思いを聞いた。

 ◇ ◇

 “4番候補”は炎天下のグラウンドで汗と泥にまみれていた。

 林は「ふがいない。これが現実なんで、ここからはい上がれるように頑張っていきたい」と言った。

 プロ3年目の昨季は1軍で打率・266、10本塁打、40打点の成績を残した。三塁のレギュラーとして、未来の主砲として首脳陣、ファンの期待は高かった。ところが、キャンプから精彩を欠いた。オープン戦でも結果が出なかった。

 「体は全然変わってないです。自分の中でも(原因が)コレというのがなくてオープン戦、キャンプも過ごしていた。それが結果に出たという感じですね」

 開幕は2軍スタート。ここで結果を残せば、昇格の道は開けるはずだったが、まさかの不振が待っていた。それも打率1割にも満たないという極度の大不振に陥った。

 「形にこだわっていた。今は整理して打席に立つように。投手との勝負なので、しっかり準備してから打席に立つということを意識しています」

 もがき苦しみ、ようやく見えてきた。打撃を一から見直した。腰の位置にあったグリップを胸の辺りまで上げる構えに変えた。持ち味である逆方向にも強い打球が出るようになってきた。現在は打率・179まで持ち直してきた。

 「しっかり1軍でまた活躍できるように準備して2軍で結果残していけるようにやっていきたい」

 苦しむ林の姿を見守ってきた高2軍監督。2軍でも結果が残せなかった状況について「まだ自分のモノをつかんでないということ」と突き放した。

 「もう1回やり直している最中。練習では良くなってきている。試合の中でストライク、ボールの見極め。その辺がね」

 林自身も自分の置かれた立場を十分に理解している。

 「2軍でやりながらしっかり結果が出るようにやっています」

 苦しんだ分だけ成長できるはず。そう信じてバットを振り続ける。取り戻す時間はまだまだ十分にある。

 ◆林晃汰(はやし・こうた)2000年11月16日生まれ、21歳。和歌山県出身。182センチ、101キロ。右投げ左打ち。内野手。背番号44。智弁和歌山2年夏の甲子園では興南戦で本塁打。3年夏も甲子園に出場するが初戦で近江に敗れた。18年のドラフト3位で広島に入団。3年目の昨季は5月29日・ロッテ戦でプロ初本塁打するなど102試合に出場し、打率・266、10本塁打、40打点。

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