カープ珍現象「ドームで勝てない」 ワースト11失点で大敗 なぜか今季1勝12敗
「ソフトバンク11-1広島」(28日、ペイペイドーム)
広島は今季ワーストの11失点で4度目の3連敗。先発・森下暢仁投手(24)のまさかの六回途中9失点KOが響いた。打線も初回に先制したもののその後は大関の前に沈黙。交流戦最下位からの脱出はならなかった。今季はドーム球場で1勝12敗と大苦戦。首位ヤクルトとは最大の4・5ゲーム差まで開いた。
試合後に開いたペイペイドームの屋根。そこからのぞく青空がうらめしい。敵地でのソフトバンク戦は18年の日本シリーズを含め6連敗となった。ペイペイドームだけでなく、今季はドーム球場で1勝12敗とまったく勝てないという珍現象に悩まされている。
11失点が重い。プロ初スタメンの渡辺に2発など3本塁打の空中戦だけでなく、二回に柳町、六回に周東に許した盗塁はいずれも失点につながった。
佐々岡監督はバッテリーに苦言を呈した。
「相手も攻略法というか逆方向へとか、しっかりと捉えられている。バッテリーは何か考えないといけない。盗塁阻止もできていない。一つアウトを取ると違うと思う。その辺はちょっと厳しいかなと感じた。失点につながっているので」
交流戦は5試合で33失点。リーグ戦ではエース大瀬良から森下、九里、床田ら強力先発陣を前面に守り切る野球を続けてきたが、パ・リーグ相手には自分たちの野球をさせてもらえない。
弱点があれば突いてくるのもパだ。今季の盗塁阻止は31度の企図に対して刺したのは坂倉の2つがあるのみ。会沢は14度、磯村は5度で阻止は0。チームの盗塁阻止率は・065。ここを狙われた。
打線も初回は野間の二塁打に相手ミスで無死一、二塁と絶好のチャンスを得ながら西川は併殺打。マクブルームの適時打で先制点は挙げたものの、後が続かない。四回には坂倉、小園の連打も松山は一ゴロ、磯村は併殺に倒れた。打線も交流戦5試合で9得点。ともに最下位に沈むオリックスと同様0本塁打。貧打にあえいでいる。
「今まで先発がつくった中でのゲーム、そういう展開でやってきた。先発が早めに崩れると打線もなかなかというところ。もう一回、基本に戻って先発が試合をつくると。そこしかないでしょう」
19年と昨季、交流戦が開催されなかった一昨年を挟んで2シーズン連続で最下位。“定位置”にしないためにもナインの意地が見たい。