広島投手陣に魔法?四球激減の不思議 北別府氏「どんな手を使ったのか知りたい」

 開幕から好調を持続する広島に、昨年とは対照的な現象が見られる。それは投手陣の四球減。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「たった1年でこれだけ変わるのも珍しい」と語り、与四球数ワーストチームからの“大脱出”に感心している。

   ◇  ◇

 私自身の体調が戻って、もっと自由に出歩けるようになったら一度、広島の投手コーチに直接聞いてみたいことがあるんですよ。

 それは四球が減った理由。現時点のことではあるけど、確実に減少しているからね。

 昨年はセ・リーグで最も与四球数が多かったカープの投手陣が、人が変わったように減らしているんだから驚くよ。

 それも“最悪の状態”から“最良の状態”まで一気にジャンプアップしている。たった1年でこれだけ変わるのも珍しいと思うね。

 (昨年のチーム与四球数はセ・リーグで最も多い483個。1試合平均3・4個。今年は11日現在29個で1試合平均1・9個はリーグ最少。※故意四球と死球は除く)

 今年から高橋建コーチが加入したが、どんな手法を使ったのか。今シーズン、それをじっくり見させてもらうとしましょう。

 今年は投手陣が全体的に腕をしっかり振って投げているように見えるし、さらに指にかかった球が低めのゾーンへ集まる傾向にある。

 昨年はその逆で球が高く浮いていたし、なんでこの状況、このカウントから四球を出すの?というシーンが目立った。

 これまでは細かくコーナーを狙い過ぎて、自分を苦しくしていたと思う。今はみんな低めだけを意識して、あとは大胆に投げているようにも感じる。

 腕を思い切り振って低めにさえいけば、ある程度は抑えられるもの。最近の投手は150キロを平気で投げられるのだからそれで十分。

 それと顕著なのは床田のパームに代表されるように、チェンジアップなどの沈む球をうまく使っている点。どの投手も球種が豊富で、同じ球を続けて投げることが少ないね。

 低めへの意識とスピードの変化。相手打者に対して、決められた18・44メートルの距離を長く感じさせるのも短く感じさせるのも、投手次第ということだ。

 森下が9日の阪神戦で最後まで投げきり、完投でのチーム一番乗りを果たしたが、森下に限らず今年は先発投手全員が頑張っているね。

 翌日の阪神戦で今季初勝利を挙げた遠藤は八回途中降板ながら無四球。防御率1・53は第3位ですよ。

 一時は投手15傑に床田、九里、森下、玉村、大瀬良の5人が名前を連ねていたほど。まだ試合数が少なく、規定投球回数の関係で名前が出たり消えたりするけど、大野(豊)さんや川口、金石らと一緒にやっていたころを思い出してうれしくなったね。

 投手のランキングに名前が載るということは、しっかり先発の責任を果たしているということでもある。

 この先発投手の安定感が、リリーフ投手の好投に結びついているのは間違いない。彼らが適度な“休養”を挟んで投げられる状況をつくっている。

 投手陣の好循環を生んでいる最大の要因は四球減。難しいことではあるけど、この状態が最後まで続くことを期待します。

 鈴木誠也が抜けたあとのチームで、投手陣がこんなに頑張ってくれている。まさかであり、うれしい展開ですよ。

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