「広島を侮ってはいけない」と北別府氏 新人の黒原も松本も使える!投手陣が充実
広島の投手陣がレベルアップしている。新人のドラフト1位・黒原拓未(22)、同5位・松本竜也(22)両投手が巨人との練習試合で好投。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「2人とも制球力があり楽しみな存在」と語り、懸案のリリーフ陣の底上げに期待した。
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巨人戦の黒原はシート打撃の時の黒原とは別人だったね。やっぱり“身内”相手に投げると、遠慮してしまうのかもしれない。先輩に当てたら大変という感じね。「思い切って投げろ」と言われても、プロ入り初参加のキャンプで、なかなかそうはいかないものですよ。
(黒原は2月15日のシート打撃に初登板。結果は打者11人に対して8安打、1四球だった)
(19日に行われた巨人との練習試合では八百板=内角高めの直球で空振り三振。大城=外角のカットボールで空振り三振。増田陸=内角高めの直球で空振り三振。打者3人を完璧に抑えた)
シート打撃は打たれはしたけど、球筋が乱れている感じでもなかったし、むしろ制球力が安定しているという印象を受けた。しかし、まだ投球を組み立てるというところまでは、いってなかったのだと思う。
巨人戦では高めの球で空振りを取っていたが、こういう投球は自信になる。敵チームということで、腕がしっかり振れたんじゃないかな。この時期にこの経験は、今後のプロ生活を送る上でも非常に大きいと思うよ。
走者がいなくてもセットポジションで投げているのは、コントロールに神経を使っているからでしょう。ただ、シート打撃ではクイックで投げていたのに、巨人戦はクイックをやめていた。いち早く修正できることに驚いたが、きっちり結果にも結びつけているね。
同じ新人の松本も、黒原より先に登板して好投していたね。先頭の中田に浮いた変化球をセンター前に打たれていたけど、後続は抑えていた。
特に感心したのは黒原同様、松本もコントロールが安定していることだ。球速以上に力のある球でストライクを先行していた。
これまでカープで伸び悩んでいた投手は、だいたいコントロールに苦しんでいた。ボールが先行して自滅。相手と勝負する前に自分との勝負で負けていた。投手で最も必要なのはコントロール。スピードは2番目でいい。
2人とも即戦力で入って来ただけのことはあるのかな。オープン戦で生き残りをかけた登板に臨んでいくわけだが、今年は中崎もいいみたいだし、投手陣の底上げが見られそうだね。
特にリリーフ陣のところで期待したい。昨年は栗林へつなぐセットアップのところに弱点があった。ここの充実を図れば十分に戦えるはずだ。
何しろ先発には大瀬良、九里、森下の3人に床田も加えた“4本柱”がいる。黒原と松本が最終的にどんな使われ方をされるのか分からないが、確実に投手力が上がってきている今年の広島は侮れませんよ。
4番がまだ決定していないけど、点を与えなければ勝てるのだから。今季はそんなスタートでいいのではないでしょうかね。