「オープン戦、阪神２－２広島」（９日、甲子園球場）

　オープン戦不動の４番が久々に快音を鳴らした。広島のドラフト６位・末包昇大外野手（大阪ガス）が四回、右翼線へ二塁打。秋山の外角球を逆らわずに打ち返した。

　「きのうから、前回のマツダ（５、６日の西武戦）より良くはなってきてるなと思ったので」

　３日のＤｅＮＡ戦（横浜）以来、１７打席ぶりの安打だった。好感触は前日からあったそうで、この日も一回の打席で右中間へ大飛球。中堅・近本に地面すれすれでもぎ取られたものの、長打コースの打球だった。

　好捕を見せた近本は大阪ガスの先輩。一塁を守る末包のところへ一、三回と安打で出塁してきた。そこでシーズンの疲労の話になり「体の疲れよりは心の疲れが難しいと思うから、ということを言っていただいた」という。「考え方一つでいい方向にも悪い方向にも向かうと思う。ポジティブにどんどんやっていきたい」。胸に刻んだ直後の安打だった。

　ここまでオープン戦は４番で全試合フル出場。“ポスト誠也”の一番手で、佐々岡監督も「きのうの打撃練習から良くて、きょうも良い感じで。もう少し我慢して使ってみようという感じですね」と成長を待ちながら見ている。１８８センチ、１１０キロの巨体に大きな期待がかかっている。