カープ栗林 2年目ジンクス心配無用 今季初実戦わずか9球で3人斬り
「練習試合、DeNA8-2広島」(22日、アトムホームスタジアム宜野湾)
広島・栗林良吏投手(25)が22日、練習試合・DeNA戦で対外試合に初登板し、1回をわずか9球で料理した。ボール球はわずかに1球という制球力抜群の“ニュー栗林”を披露。2年目のジンクスなどみじんも感じさせない快投。“失敗しない男”は今年も健在だ。
バットは空を切り、重いミット音が響いた。守護神・栗林の初実戦は剛球披露の場になった。
八回から登板し、先頭の森は3球連続ストレート。1球ごとに低く集め、最後は真ん中低めの144キロで空振り三振。続く山下はカーブ、フォークを試して追い込むと、高めの143キロで2者連続となる空振り三振。ボール球は続く代打・伊藤光の初球、外角低めを狙ったストレートがわずかに外れただけ。2球目で二飛に抑え、わずか9球で三者凡退に仕留めた。
「内容も結果もすごい良かったと思います。9球ですか?」
少なすぎる球数に苦笑いを見せたが、納得の投球となった。オフから取り組んできた下半身の強化。これまで導入してこなかったウエートトレーニングを積極的に採り入れた成果が初登板から表れた。
「チームのテーマでもあるんですけど、個人的にも制球力は課題だったので、ストライク先行で打者と勝負することをテーマに置いてやってたんですけど、それができた」
昨季は53試合に登板し、0勝1敗37セーブ、防御率0・86という抜群の成績を残した。特にセーブ機会で失敗0という安定感は驚異的だった。唯一の弱点は52回1/3で被安打23を上回る29四死球。これが改善されれば、死角は見当たらない。下半身強化がその道筋を開いてくれた。
「意識するポイントが下半身になれてるので、すぐに修正しやすい。今は足の動かし方とかを変えることによって結果が出てるので、やってきたことは間違ってないのかな」
“2年目のジンクス”の心配はない。それよりもコロナ禍前にあったファンの盛り上がりが戻ってくることへの期待が大きい。
「去年は無観客でやってたので、やっぱりこうやって練習試合からファンの方々に見てもらえて、拍手で送り出してもらえるっていうのは、今日に限ってはそういうところが良かったかなと思います」
満員のスタンドで試合を締めくくる。絶対的守護神はその日を心待ちにしている。



