デイリースポーツ評論家・石原慶幸氏（４２）によるキャンプチェック野手編。“ポスト鈴木誠”が期待されるドラフト３位・中村健人外野手（トヨタ自動車）、６位・末包昇大外野手（大阪ガス）のルーキー２人をはじめ、今季の正捕手は？など、第２クールを終えた現状を分析した。

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　野手で目に付いたのはルーキーの二人。末包は見るからにパワーがある体つき。スイングも力強い。ロングティーでバックスクリーンに当てられる力があるパワーヒッター。中村健は柔らかさを持ちながら、バットをしなやかに使うタイプ。

　二人ともこれからプロの投手に対応していかなければいけない。今まで自分たちがやってきたことを出せるように、それだけを心掛けてほしい。できない日もあると思うけど、焦らないことが大事。環境に早く慣れて、いい意味で自分のペースでやれるようにやってもらいたい。

　チーム全体を見渡すと、今キャンプは菊池涼と会沢が中心となって引っ張っている格好となっている。特に菊池涼は積極的に自ら声を掛けていた。投内連係で投手に対してだったり、小園に個別練習でアドバイスしたりと、チームを引っ張るんだという姿勢が随所で見られる。ベテラン二人のこういう姿勢はすごくいいことだと思う。

　ポジション別でいうとやはり捕手。昨季は会沢のケガもあり、坂倉、石原と３人が同じくらいの試合数になった。今季については、会沢にケガなくシーズンを通して頑張ってほしい。彼の実績、経験値はやはり抜けている。そこにケガで出遅れている坂倉、石原、中村奨らが追い上げる格好になればいい。彼らもいいものを持っているので、まずは自分たちのことをしっかりやること。周りが気になるだろうけど、まずはやるべきことを明確に分かっていないとダメ。一日一日の中でやりきれたかどうか自問自答しながら、足元からしっかり固めてほしい。その先に競争がある。

　コロナ禍もあり、何人かはキャンプに参加できていない。鈴木誠がメジャー移籍を目指し、新外国人マクブルームはいつ来日できるか分からない。開幕時にベストメンバーを組むのは難しいかもしれない。個人というよりも全員が束になって掛かっていかないといけなくなると思う。

　第２クールも終わって疲れが出てくるころ。とにかくケガをしないようにしてもらいたい。