広島・九里 新兵器“松坂スライダー”習得だ 本人直伝!さらなる進化へ「試行錯誤」
「広島春季キャンプ」(2日、日南)
広島の九里亜蓮投手(30)が2日、新たに“松坂スライダー”の習得に前向きな姿勢を示した。前日1日、昨季限りで現役を引退した元西武・松坂大輔氏(41)がテレビ番組の収録で日南キャンプを来訪。同氏にスライダーの投げ方を教わり、この日のブルペンで試した。昨季の最多勝右腕が、進化した投球で今季に挑む。
貪欲な向上心が、九里を突き動かした。キャンプ初のブルペン投球は直球25球、スライダー5球の計30球。スライダーはブルペン捕手に曲がり具合を1球ずつ確認した。縦変化のスライダーを求めており「試しながら投げてみたけど、もう少し試行錯誤が必要かなと思っています」と自己分析した。
キャンプ初日の1日、テレビ番組の収録で元西武・松坂大輔氏が日南を訪れた。九里は迷わず平成の怪物の元へ足を運び、同氏にスライダーの投げ方、感覚について助言を求めた。「松坂さんは凡打、空振りするようなスライダーを投げているイメージがあった。なかなか聞けるチャンスもないので、話を聞かせていただきました」と意図を説明した。
直球とツーシーム、フォークを主体にするのが九里の投球。元々スライダーも持ち球だが、昨季に限らず「スライダーをあんまり振ってもらえないことが多かった」と明かす。打者が思わず手を出してしまう松坂氏の代名詞。“宝刀”の極意を吸収して自身に還元できれば、投球の幅は間違いなく広がる。
元々投げていたスライダーは封印しない考えで、習得を目指すのは縦方向に変化する“新スライダー”。2球種の投げ分けを理想とする。この日のブルペンではワンバウンドする場面もあったが「初めてなので、そんなすぐにうまくいくとは思っていない」と話し、投げ込むことで感覚をつかむ考えだ。
昨季は自身初の2桁勝利となる13勝をマーク。初タイトルとなる最多勝にも輝き、先発投手陣をけん引した。現状に満足せず、新たな取り組みに精を出す右腕に佐々岡監督も「いろいろやることはプラスになるでしょうし、器用な面もある。今から投げてみてどうかというところ」と背中を押した。
大瀬良から投手主将を引き継ぎ、投手陣の中心に立つ22年シーズン。「いい方向に、いけばいいと思う」と背番号11。新たな武器を携え、相手球団をさらに幻惑させていく。





