広島に心配の種が2つ「鈴木誠と栗林」北別府氏「4番の確保と栗林のケアを」
広島・栗林が新人最多タイの37セーブを記録して今シーズンを終えたが、デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「疲労は大敵。オフの間に入念なケアを」と語り、疲労の除去を来季活躍の条件に挙げた。また去就が注目される鈴木誠に関連して、「(球団は)4番の確保を」と注文をつけた。
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ペナント終盤の戦いに未来への明るい材料が見えたカープだが、来年へ向けて心配の種が2つあるね。
1つ目は、みんなが感じている鈴木誠也の去就。メジャー挑戦は間違いないだろうね。最終戦が終わって熟考に入るようなことを言ってたみたいだけど、仮に誠也が抜ければ、4番打者がいなくなるわけだから、途端に厳しくなる。
ほとんど働かなかったクロンに代わる外国人選手はもともと探す必要があったし、穴が空いたとしたら、若手が育つまで助っ人でそれを埋めるしかないね。
そして心配の種の2つ目は栗林の疲労。今年は入団1年目から抑えとしてめいっぱい投げてきたから、間違いなく疲れがたまっているはず。
常に全力投球。経験のないプロのマウンド。休息のない1年。五輪選出。そのうえ、ほぼ完璧な投球内容で37セーブ。
これだけ密度の濃い1年を送って肩ひじ、その他、どこも異常がないなど考えにくい。痛みと言えるほどのものはないかもしれないが、何かしらの変調はきたしていると見るべきだろう。
10月に入って球威が落ち、変化球のキレも悪くなっていた。フォークボールが右へ流れたり、左へ引っかかったり、うまく操れていなかった。また、球速表示ほどのスピードもなかったように思う。
実際、失点につながっていたし、最終戦も苦しんでいた。セーブシチュエーションだから出さざるを得なかったのかもしれないが、少し心配しながら見ていたね。
とにかく選手の大敵でもある疲れを取り除くことが大事。私も経験があるが、20勝を記録した翌年は、年が明けてもしばらくの間、体に鉛がたまったように重たかったのを覚えている。
オフに十分手入れしたつもりだったけど、1年間で蓄積された疲労は、簡単には抜けてくれないことを実感したものですよ。
球団トレーナーによるマッサージや温泉の活用など、いろんな方法がある。この時期、何かと神経を使うだろうが、入念なケアだけは怠らないようにしてほしいね。
53試合に登板し、わずか1敗で防御率0・86は驚異的な数字でしょう。これを来年も期待するのは酷かもしれないが、それを可能にするのはコンディショニング。
球団も最大限のバックアップをして疲労回復に努め、不安のない状態で来年を迎えてほしいものです。
そして次の4番候補をいかに確保するか、いかに育てていくか、見ものです!




