カープ栗林 新人王よりチーム最優先 タイトルは「結果的に取れたらいい」
広島・栗林良吏投手(25)が27日、チームファーストの姿勢を貫き、新人王を獲得する姿勢を示した。26日のDeNA戦で球団新人最多となる26セーブと、新人記録に並ぶ9試合連続セーブを達成。28日からの阪神3連戦に向け、鯉の守護神は同期入団の佐藤輝、中野を抑えることを誓った。
偉大な金字塔を打ち立てた後も、スタンスは変わらない。勝利だけを目指して、仲間と笑顔の花を咲かせることが自身の使命。栗林は新人王について「僕はそこが目標じゃなくて。まずはチームが勝って(試合を)終われるように。それで、結果的に取れたらいい」とチームファーストの姿勢を強調した。
深まる秋とは対照的に、新人王争いは熱を帯びてきた。DeNA・牧も好調で、阪神の佐藤輝と中野も手ごわいライバルだ。佐藤輝はここまで23本塁打と球団新人最多本塁打記録を更新し、中野もリーグトップの24盗塁。その2人を封じ込めることができれば、新人王へ向けた大きなアピールにもなっていく。
中野との対戦は今季1打数1安打。同じ社会人卒で、プロ入り前に対戦を重ねた間柄でもある。2番に定着し、勝負強さを見せる同い年に「対戦は楽しみですが(社会人時代にも)打たれているので、しっかり抑えたい」とライバル心を隠さない。
一方、佐藤輝は3打数無安打と封じている。DeNA戦が雨天中止となった17日には、佐藤輝が2軍調整中だったこともあり「今年は佐藤君がプロ野球を盛り上げてファンを増やしている。早く1軍に上がってきてほしい」と、敵ながら一人の野球人としてエールを送っていた。ただ、顔を合わせることになれば全力で抑えていく。
26日には、15年にDeNA・山崎が達成した新人最長記録となる9試合連続セーブに並んだ。連続試合セーブの新人記録更新も期待されるが「4点差で投げるのなら、それで(いい)。チームが勝てればいい」と意に介さない。個人記録より、チームの白星を最優先して残り試合を戦い抜く。
優勝に向けて加速度を強める阪神に、意地を示したい3連戦。「自分たちは一戦一戦、戦うしかない。逆転した試合とか、いい試合が続いている。その流れで自分も抑えられたらいい」と守護神。公式戦初見参となる甲子園でまた一つ、新たな勲章を手に入れる。




