「広島３－６阪神」（１日、マツダスタジアム）

　力強く、右手でグラブをたたいた。大きな拍手を背中いっぱいに浴びながら、広島・コルニエルがベンチへ歩を進めた。デビュー戦を１回１安打無失点。２奪三振という上々の滑り出しに「準備がしっかりできていた。普通に投げられた」と白い歯をこぼした。

　出番は４点ビハインドの九回。先頭・木浪への初球は１４８キロの直球だ。１死から代打・中野に左翼線二塁打を浴びても動じず、続く近本を空振り三振。最後は三回に右越え３ランを放っていた好調の糸原も空振り三振に斬った。

　１７球中、直球は１５球。最速は１５５キロを計測した。３月２１日、ソフトバンクとのオープン戦以来となる登板は、直球で押すと決めていた。「キャンプからしっかり練習してきた。だから結果が出た」。うなりを上げた剛球に自信を得た。

　開幕前に支配下登録を勝ち取った。力強い投球に大きな可能性を秘めているからだ。佐々岡監督は「期待しているし、ああいう投球を続けてくれれば面白い存在になると思う」と力を込めた。

　プロ初登板の記念球をクロンから手渡され、ドミニカ共和国の実家に飾る予定だ。「次も０点に抑えたい」。支配下登録された直後の会見で語った次の目標は「オールスターで投げる」こと。夢を胸にマウンドへ上がる。