広島 鈴木誠&堂林の師弟共演弾で対外試合初勝利
「練習試合、中日0-4広島」(23日、Agreスタジアム北谷)
“師弟弾”だ!広島の鈴木誠也外野手(26)が23日、練習試合・中日戦(北谷)で、右越えに“今季1号”を放った。また、堂林翔太内野手(29)もバックスクリーンへ今年1号となるソロ。固い絆で結ばれた師弟コンビによるアーチ競演。今年もSD砲が攻撃陣をけん引していく。
フラフラと舞い上がった打球が風にも乗って右翼席へと吸い込まれた。鈴木誠が実戦3試合目で“今季初アーチ”となる一発を放った。ナインとハイタッチを交わし、「甘い球を振れたので良かったです」と表情を緩めた。
初回2死。清水の真ん中直球をすくい上げた。高い弾道の打球がグングン伸び、右翼フェンスを越えた。
今オフから左足を大きく上げて軸足に重心を残す新しい打撃フォームに挑戦しており、「少しずつ良くはなっている。実戦が入れば、いいところ、悪いところが出てくると思う。そこを少しずつ詰めていって自分のものにしていきたい」と調整に余念はない。
朝山打撃コーチは新打法について「また新たな自分を探しに旅に出ている。いいものが続けば、やっていることを貫けばいいと思う。それが駄目でも戻るところがあるので、何も心配してない」と信頼を寄せる。
主砲の一撃に感化されたように、堂林もアーチを描いた。四回2死。フルカウントから清水の低め直球を完璧に捉えて中越えに運ぶこちらも“今季初アーチ”だ。
「手応えはあったが、まさか入るとは思わなかった。結果的に本塁打で良かった」とプリンス。佐々岡監督は「彼本来のセンターから右方向というところ。いい打ち方だった」と称えた。
堂林は後輩である鈴木誠に2年連続で弟子入りし、打撃の助言を仰いだ。昨年は111試合に出場して8年ぶりに規定打席に到達。打率・279、58打点は自己最高で、14本塁打は自己最多タイ。誠也の金言を結果につなげ、復活を遂げた。
この日の試合前にも、2人で話し合う場面があった。「今の僕の現状を聞いた。僕が思っていることと、誠也が言ったことが一致した」と堂林。主砲からの助言を生かし、豪快な一撃に変えた。
“師弟アベック弾”で対外試合初勝利。固い絆で結ばれた両者が、今年もチームの得点源となる。それでも「昨年1年間やっただけ。アピールする立場。危機感はずっと持っている」。気を引き締めた堂林が師匠の背中を追う。