広島・森下 新人王当確の10勝目 8回零封で防御率タイトルも中日・大野雄に肉薄
「中日0-3広島」(1日、ナゴヤドーム)
広島・森下暢仁投手(23)が8回無失点の好投で10勝目を挙げ、新人王に当確ランプをともした。球団新人では14年・大瀬良以来、6年ぶり9人目の2桁勝利。規定投球回も突破した右腕は防御率1・907とし、リーグトップの中日・大野雄と僅差に迫った。チームはナゴヤドーム今季最終戦を白星で飾り、1分けを挟み今季最長の5連勝とし、借金5まで返済した。
崩れる気配は全く漂っていなかった。1-0の六回2死一、三塁。森下は高橋を内角高めの150キロで詰まらせて遊ゴロに打ち取ると、軽く右拳を握って喜びを表現した。
たくましく歩んだ先につかんだ10勝目だ。「シーズンを通して投げ切ることができていますし、本当にうれしいです」とかみしめた。巨人・戸郷とは2勝差とし、目標だった新人王を当確させた。
初回1死から連打を浴びたが、相手の走塁ミスもあって無失点。最速152キロの直球にカーブを織り交ぜ、竜打線を手玉に取った。明大の先輩・柳と10月17日以来2度目の対決は「いい投げ合いができた」と充実の表情を見せた。
あと5回1/3としていた規定投球回も到達。「あと何回で行くか分かっていた」と意識していただけに「そこまでは絶対投げるという気持ちと、ゲームをつくるという気持ちで」マウンドに上がった。
8回零封で防御率は1・907とし、1・905でリーグ1位の中日・大野雄に肉薄。「ここまで来たら取りたい気持ちもあるけど、任されたところでしっかり投げたい」と99年の上原浩治(巨人)以来となる新人での防御率のタイトル奪取へ最後の力を振り絞る。
初めて飛び込んだプロの世界で「野球で身近にいる先輩たちから学ぶことの方が多い。やっぱり頑張っている人は結果も付いてきている」と実感。第一線で活躍を続ける難しさを理解するからこそ「一日一日大切にしないといけない」と話したこともあった。日々の努力の結晶が2桁勝利にタイトル争いという形で実を結んでいる。
佐々岡監督は「何も言うことない。素晴らしいピッチング。これで新人王は確定だね」とニッコリ。次回登板は「決めていない」と明言を避けたが、登板となれば10日・ヤクルト戦か11日・中日戦が見込まれる。新人の防御率1点台は12年・野村以来だが、タイトルの可能性もあるだけに指揮官は「周りを見ながら。また考えます」と話すにとどめた。
プロ初勝利を挙げたナゴヤドームで刻んだ大きな一勝。背番号「18」が見据える未来は、どこまでも明るい。





