広島・森下 残り3戦勝つ!96球快投“崩程式”に9勝目スルリも新人王獲れる

 「広島2-5中日」(17日、マツダスタジアム)

 先発した広島のドラフト1位・森下暢仁投手(23)=明大=が大学の先輩である中日・柳と投げ合い、7回5安打1失点と好投した。継投失敗により、9勝目はお預けとなったが、黄金ルーキーは新人王獲得に向けて残り3試合の登板で勝ち星を積み上げていくことを誓った。なお、チームは引き分けを挟んで3連敗。きょう負ければ、2年連続のV逸が決まる。

 7回96球。マウンドを降り、ベンチで汗を拭った森下は佐々岡監督とグータッチを交わし、ねぎらいの言葉を掛けられると少しはにかんだ。秋風なびく昼間のマツダスタジアムで黄金ルーキーが快投を演じた。

 「いい感じで入れた。いつも通り投げられました」。初回、二回は三者凡退。2-0で迎えた四回には大島、京田に連打を浴び、無死一、三塁のピンチを背負うも阿部、ビシエドを連続三振。2死から高橋に左前適時打を浴び、1点は失ったが、ズルズルといくことなく、シエラを一飛に抑えた。「1点で抑え、逆転されなかったのは良かった」

 傷口を最小限にとどめた新人はその後も力強い直球と多彩な変化球で中日打線を手玉に取った。佐々岡監督は「しっかりと試合をつくってくれた」とたたえた。

 特別な一戦となった。中日の先発は明大の3学年先輩である柳。柳が4年生、森下が1年生の時に寮が同部屋だった。先輩の背中から多くのことを学び、エースで主将。そして4年時に大学日本一になるなど同じ道をたどってプロ入りした。

 柳のマウンド姿は「自分のことに集中して見ていなかった」と言うが、二回2死には外角直球を捉え、右翼線へ二塁打を放った。「真っすぐだけだったので、打てた。いいところに飛んだ」と初対戦を振り返り、「柳さんと投げ合えて明治大学に入って良かった」と感謝の意を表した。

 継投失敗により、9勝目はお預け。チームも引き分けを挟んで3連敗。きょうにも2年連続のV逸が決まる状況だ。

 ただ、右腕には新人王争いというし烈な戦いが続く。順調に中6日でローテを回れば、残りの登板数は3。森下が動向を意識すると話し、8勝で並ぶ巨人・戸郷をリードするためにも残り試合で勝ち星を積み上げることがタイトル獲得への条件となる。「勝つことを意識していきたい。ゲームをつくれば、結果はついてくる」と闘志を燃やした背番号18が最後まで全力投球を続けていく。

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