「広島３－５阪神」（３０日、マツダスタジアム）

　先発した広島の遠藤淳志投手（２１）が１１８球を投げ、７回４安打３失点と力投した。

　初回、制球に苦しむところを狙われた。先頭の近本に遊安打を許すと１死後、糸井を２球で追い込みながらも四球。一、二塁から続く４番・サンズにフルカウントからの６球目。高めに甘く浮いた１４３キロ直球を痛打され、先制の３ランを浴びた。「インコースにボール球でも厳しく突こうと思ったが…。そこが反省点です」と悔やんだ。この回だけで３９球。ボール先行が目立ち、課題である立ち上がりに３失点した。

　しかし、「３点取られたことはしょうがないというか、試合をつくることだけを考えて投げた」と初回の失点を引きずることなく、気持ちを切り替えた。

　徐々に制球も安定。二回から四回は三者凡退に抑えた。五回には２死二、三塁のピンチを背負ったが、糸井を三飛に打ち取り、切り抜けた。

　再びリズムに乗った右腕は六、七回も三者凡退に抑え、計７三振を奪った。「３点取ってもらって勝てないのはまだまだ。未熟さが出てしまった」と反省を口にしたが、持ち味である攻めの投球を貫き、必死に腕を振るった。

　チームは延長戦の末敗れた。９月１日の中日戦（ナゴヤドーム）から始まる１３連戦に向け、「初回の入りが大事になってくる。きょうみたいに初回に点を取られても粘れた。中継ぎの負担を減らせるように責任感を持って長いイニングを投げられれば」と意気込んだ。