広島・堂林9号&マルチで3割復帰 指揮官「殻破られるか」さらなる奮起期待

 6回、ソロを放ちナインの出迎えを受ける堂林(撮影・立川洋一郎)
2枚

 「広島2-2DeNA」(19日、マツダスタジアム)

 アベック弾で広島が引き分けた。0-2で迎えた六回に堂林翔太内野手(29)が右翼席へ9号ソロを放つと田中広輔内野手(31)も右中間にアーチを描き同点に。二回の右中間二塁打と合わせマルチ安打を記録した堂林は、打率3割復帰を果たした。2012年(14本塁打)以来の2桁弾に王手。再び輝きを取り戻した鯉のプリンスが苦境のチームを救っていく。

 力強く振り抜いた打球は、右翼席ポール際に飛び込んだ。さっそうとダイヤモンドを一周した堂林は本塁を踏んだ後に小さく両手を合わせた。8月5日のヤクルト戦以来となる9号を放ち「変化球をケアした中でいい方向に打てた」と確かな感触を伝えた。

 0-2で迎えた六回1死。フルカウントから浜口が投じた直球をやや詰まりながらも強振し、8年ぶり2桁本塁打に王手をかけた。佐々岡監督は「堂林らしいホームランだった。これでいいときの感じになってくれればいい」とさらなる活躍を期待した。

 前日の同カードで18打席ぶりの安打を記録したことも心理的に好影響をもたらしている。二回の第1打席にも右中間フェンス直撃の二塁打を放ち、11試合ぶりのマルチ安打を記録した。「最近にはない感覚。初球から振りにいけた。右中間に一振りで仕留めることができた」と堂林は表情を緩めた。

 一時・446まであった打率が前日18日に・299と3割を切っていたが、わずか一日で・302と復帰。自身にとって好調のバロメーターである右方向への積極果敢な打撃を見せ、不調を脱出しつつある。

 堂林の一発が反撃ムードを呼び、2死後、田中広が同点4号ソロ。田中広は「しっかりと自分のスイングで仕留めることができました」と話した。

 12日に堂林の母校・中京大中京が甲子園交流試合に出場し、勝利を収めた。センバツ出場時にTシャツを贈り、「後輩の活躍する姿を見て刺激になった」と堂林はいう。

 結果は引き分け。これで延長戦の成績は1敗6分け。いまだ本拠地でサヨナラ勝ちはない。指揮官は堂林に対して「ここで殻を破られるか。苦しんでいるが、そういうところが大事」とさらなる奮起を求めた。「結果的に勝ち切れなかったが、やれることをやっていくしかない。深く考えず、シンプルにやって勝てるようにしたい」と背番号7は目標である不動のレギュラー定着に向けてがむしゃらにバットを振り抜き、己の道を切り開いていく。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

広島カープ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス