「中日３－３広島」（５日、ナゴヤドーム）

　ルーキー一番星こそ逃したが、好投は色あせない。両親が球場で見守ったプロ初登板初先発のマウンド。広島のドラフト３位・床田寛樹投手（２２）＝中部学院大＝が成長した姿を見せ、上々のデビューを飾った。

　「初回マウンドに上がった時はものすごく緊張しました。二回以降は平常心で、自分の投球ができました」

　初回、いきなり先頭の大島に左前打を打たれ、１死二塁からゲレーロに中前へ先制打を浴びた。それでも２死満塁を切り抜けると、本来の投球を取り戻した。最速１４８キロの直球で攻め、カーブで緩急をつけた。二回、エルドレッドの２ランで援護をもらうと、さらにリズムよく投げた。

　悔やまれるのは１点リードの五回だ。２死一、三塁。勝利投手の権利を得る目前で５番・平田に中前へ同点打を許した。強烈な打球が、差しのばしたグラブの下を抜けていった。結局、七回１死三塁のピンチで降板。初めてのマウンドは、６回１／３を９安打３失点で終わった。

　この日の午前中、父・健一さんの電話を鳴らし、不安をはき出した。「大島さんを出したらヤバイ！足が速いから」。その大島に３安打されたが、これも貴重な経験だ。「ストレートの走りも良かったし、変化球も低めに投げきることができた。ピンチの時の投球が課題です」。収穫と反省を次回登板へつなげる。