松山「執念」対左投手の打率4割超え

 「DeNA3-1広島」(28日、横浜スタジアム)

 気持ちを込めた白球は、瞬く間に一、二塁間を抜けた。劣勢でチームを鼓舞した代打適時打。勝利につながらなかった打席に、悔しさもにじむ。だが、左対左の起用に応えた一打は、今後につながる価値を生んだ。広島が松山竜平外野手(30)の執念打で一矢報いた。

 2点差で迎えた七回だ。2死一、三塁で松山が打席に立った。マウンドには左腕今永。対左にも緒方監督は、迷わず切り札を送った。1-1から3球目、わずかにゾーンを外れた外角のスライダーを、悠然と見送った。

 「対左にハマったというか、いい打ち方ができた。一塁側に体重を乗せ過ぎてしまうと、外の球が遠く見える。投手に入っていく。イメージ通りです」

 続く4球目。1個分内に入った球を右前に運んだ。読み通りの一打。「執念です」と振り返った。定位置を狙ってオフは左克服に専念。自費で打撃投手を自主トレに呼び、徹底的に打ち込んだ。今季対右の打率・328を上回り、左は12打数5安打で・417。努力は結果に表れている。

 同点、勝ち越しにはつながらなかった。だが、完封負けは今季まだ2度。終盤に奪った1点は次につながる。「状態はいいので。続けていくだけ。与えられた所で結果を出したい」と松山。第3戦の先発は山口。スタメン濃厚な一戦で、3連敗を阻止する一打を誓う。

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