ドラ4船越 カープ2016年1号弾

 「広島春季キャンプ」(8日、日南)

 広島のドラフト4位・船越涼太捕手(22)=王子=が8日、シート打撃で九里から左翼席へ豪快な“チーム1号”を放った。左中間に二塁打を放った6日のシート打撃に続き、首脳陣に持ち前のパンチ力をアピール。開幕1軍を目標に掲げるルーキーは、石原、会沢に続く第3の捕手に名乗りを上げた。

 快音が響いた。弾丸ライナーが左翼席に突き刺さる。ルーキーの船越が“チーム1号”を放って猛アピール。本塁に生還すると、ファンから一斉に拍手が送られた。

 九里と対した第2打席だ。設定は1死二塁。2球目が左肩付近に当たったが死球ではなくボール扱いとなり、3ボールからの4球目。真ん中に来たストレートをコンパクトなスイングではじき返した。2度目の実戦形式で飛び出した一発だ。

 「フォームを修正してる中での結果が出たということは、この練習が間違っていない。手応えを感じました」

 緒方監督は「ビックリするような打撃。緊張した中でも、頼もしい結果を出してくれている」と評価。石井打撃コーチも「最初の頃はどうかと思ったが修正する力がある。教えたことも理解してくれている」と急成長を認めた。

 社会人時代は右肘が下がり、あごが上がってアッパースイングになっていたものを、上から振り下ろすスイングに修正。さらに、あごが上がる癖は8の字を描く素振りなどを取り入れてダウンスイングに矯正した。

 「振り終わったあとの右肩が変わった」。大きな変化に最初は戸惑いを見せたが、プロの速球にも対応し、持ち前のパンチ力が生かせるフォームが身につきつつある。

 手本は丸のスイングだ。「(丸の)バットの入り方は、今まであまり見たことがない。石井コーチが言っているスイングはこういうことだと思います」。トップクラスの選手を参考にし、吸収する。

 王子入社後に捕手に転向。マスクをかぶって4年目と、まだキャリアは浅く、リードや配球面について課題があると本人も自覚している。1軍で活躍するためには、打撃力の向上と並行して守備力も強化していく必要がある。

 開幕1軍を目標に掲げるルーキーは「アピールばかり考えると僕のプレーができなくなる。まずは沖縄(1軍2次キャンプ)に行くことです」。闘志を内に秘め、段階を踏んで行きながら一歩ずつ前進する。

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