広島のドラフト２位・横山弘樹投手（２３）＝ＮＴＴ東日本＝が１６日、廿日市市の大野練習場での合同自主トレで、新人一番乗りとなるブルペン入りを果たした。捕手を立たせて２０球。変化球を交えながら、右腕を振り下ろした。

　ミットに吸い込まれる乾いた音が響いた。直球、カーブ、スライダー、シュート、チェンジアップと、フォーク以外の持ち球を試投。新人一番乗りを「（マウンドの）傾斜の感覚を忘れないため入りました」と説明し、「（調子は）上々でした。ボールの質や配球のことを考えながら投げました」と納得した表情を見せた。

　わずか２０球だが、周囲の評価は上々だ。見守った川端編成グループ長は「肘の柔らかさは相変わらずいい。自分で考えて投げられる投手。現時点では、（他球団の）新人と比べても先をいっているのでは」と大絶賛。捕手を務めたドラフト４位の船越も「伸びのあるいい球だった。リードするのが楽しみ」とコンビを組むのが待ち遠しそうだった。

　配球の組み立て方を書き込んだ４冊の“横山ノート”を武器にクレバーな投手を目指すドラ２右腕。「リードは捕手に任せるだけではなく自分でも考える。行き当たりばったりだとぼろが出るので」。開幕１軍へ、足元を見つめながら前進する。