マエケン トップタイ9勝!鯉4位浮上
「巨人1-2広島」(8日、東京ド)
広島・前田健太投手(27)が7回4安打1失点で後半戦初勝利、リーグトップタイの9勝目を挙げた。前回のKOから修正し、チームを巨人戦連勝、3カードぶりの勝ち越し、4位浮上に導いた。昨季は後半戦で調子を落としたエース。今年は必ず、その悔しさを晴らす。ここから勝ち続ける。
右拳を力強く握った。前田はガッツポーズをつくり、満足げにマウンドを降りた。2-1の七回1死一塁、アンダーソンをカーブで遊ゴロ併殺に仕留めた。7回4安打1失点。「自分のピッチングをするだけだった。勝ちをつけてもらったので、気持ち的には楽になると思う」。後半戦初白星で、リーグトップタイ9勝目を挙げた。
宝刀スライダーはキレを欠いた。それでも豊富な引き出しを駆使し、好投してみせるのが前田だ。最速151キロの直球を軸にカーブ、チェンジアップを活用。失点は1-0の五回、小林に抜けたスライダーを捉えられた左越えソロだけだった。
前回登板の7月31日・DeNA戦(横浜)は2回6失点でKOされた。中7日のマウンド。「昔と違って、今は精神的に引きずることはしない。(原因は)言えないが分かっている」。しっかり修正し勝利を呼んだ。
チームは巨人戦連勝、3カードぶりの勝ち越しで、4位に浮上した。緒方監督は「この2試合は投手のおかげ。(前田は)DeNA戦の借りをきっちり返してくれた。よく投げてくれた」とたたえた。
前田は自身の白星以上に、中崎が九回を締めたことを喜んだ。7日・巨人戦で危険球退場した右腕は、昨オフの自主トレをともにした後輩だ。「ザキ(中崎)が苦しみながらセーブを挙げられた。早めに出番をつくってあげたかった。僕は(頭部死球の)経験がないけど、真っすぐでも抜けるのが怖くなると思う」と思いやった。
2番手の大瀬良を含め、自主トレで一緒に汗を流した“チームマエケン”でつかんだ白星。昨年の後半戦は2勝5敗と低迷しただけに「これから最後まで、しんどいところをどれだけ踏ん張れるか」と腕をぶす。次回は中5日で14日・DeNA戦(マツダ)に先発する。し烈を極めるペナントレース。若き投手リーダーがここから、「真価」をみせる。
