4番外れた新井が意地打 七回ロマン撃ち

 「ヤクルト8-3広島」(29日、神宮)

 広島の新井貴浩内野手(38)が大敗の中で意地を見せた。前日まで後半戦6試合で22打数4安打、打率・182、0打点と不振に陥ったため、この日は4番から外れ、5番で出場。先発出場した試合で4番を外れたのは、4月15日のヤクルト戦(神宮)の6番以来だった。それでも七回には適時打を放つなど、2安打1打点。上位浮上のためには、この男の活躍が必要じゃ!

 力強い打球が右前で高く弾んだ。劣勢の中、勝敗につながらぬ「1打点」。だが、浮上を誓うチームに貴重な1本となった。先発した試合に限っては、6番で出場した4月15日のヤクルト戦以来、約3カ月半ぶりに4番を外れた新井が、執念で記録した後半戦初タイムリー。意地の一打だ。

 「5番・一塁」で出場した一戦。七回だ。1死二、三塁で打席に立つと、代わったばかりのロマンに対して、1ストライクからの2球目。高めに浮いた148キロをライト前にはじき返す。塁上で両手をポンッとたたき、新井は最小限で喜びを示した。待望の1本だ。

 「打順は何番でも変わらない。やることは一緒。それより後半に入ってから、思うようなスイングができてなかった。それが自分でもはがゆかった」

 大敗を喫した試合後、新井は自責の言葉で振り返った。開幕前に右肘、開幕後に左手甲を痛めた。満身創痍(そうい)の中での出場。夏本番を迎え、疲労はピークだ。だが「疲れ?ない」と首を振った。言い訳はない。後半戦は前日までの6試合で22打数4安打(打率・182)、0打点。勝利に貢献できず、苦しんでいた。

 しかしこの日、復調への兆しを見せた。四回にも小川から一、二塁間を破る安打で出塁。8日のDeNA戦(三次)以来、12試合ぶりマルチ安打を記録した。緒方監督は打順について「新井だけじゃなく、みんなそう。相手の投手や打者の調子によって代える」と説明。ただ「新井の4番が多くなるだろうが」とも付け加えた。

 30日は左腕石川が先発する予定で、再び4番に戻る可能性が高い。「試合の中でいかにしてやっていくか。またあした。あしたが大事になる」と新井。勝利につながる1本を-。チーム浮上に新井のバットが欠かせない。

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