新井V撃!借金4も…広島は首位と2差

 「阪神0-3広島」(15日、甲子園)

 広島が前半戦最終戦を白星で飾った。新井貴浩内野手(38)が四回に先制&決勝打。主砲の一打で連敗を3で止めた。借金4のチームは5位での前半戦ターンとなったが、首位とは2ゲーム差の大混戦。緒方孝市監督(46)は「後半戦は優勝という結果のために、一人一人が力を出し切ってほしい」と、あらためて24年ぶり頂点への決意を明かした。残り62試合。一丸野球で混セを勝ち抜く覚悟だ。

 勝利への気迫、執念が、打球に力強さを与えた。一塁ベース上で大きく手をたたき、喜びを示した鯉の主砲。4番が決めた。新井が決めた。前半の最終戦で連敗を3でストップ。負ければ最下位転落の可能性もあった一戦で、意地を見せた。

 ハイライトは四回。無死一、二塁で、4番新井が打席に立った。メッセンジャーに対して、2ボールからの3球目、真ん中に甘く入った145キロ直球を狙った。打球が一、二塁間を破ると、二走菊池が一気に生還。10日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、3試合ぶりの適時打で先制だ。

 「全員でつかんだ勝利ですね。チャンスは少ないと思っていたので、ワンチャンスをモノにできて良かった。一、二塁だったので、強引にならないように、と思っていました」

 今季、古巣阪神には38打数12安打。打率・316の好相性だ。痛めている左手甲には腫れが残る。医師には手術か、固定療法を提案された。復帰まではいずれも2、3カ月を要す。だが「今の自分にそんな余裕がない」と、満身創痍(そうい)で戦うことを決めた。

 「毎日必死で、いっぱいいっぱいで。振り返る余裕はない」。試合後、生気が抜けた表情で話す。それでも、チャンスが与えられなかった昨年の悔しさを、復帰後「4番」という形で晴らした。「優勝という結果を残すために、一人一人が力を出し切ってほしい」とは緒方監督。新井の存在が後半戦、浮上を誓うチームに欠かせない。

 首位から最下位まで4ゲーム差の大混戦は、24年ぶり頂点への可能性も見える。「勝って終わるのと負けて終わるのでは全然違う。順位はまだ関係ない。後半戦、何とか食らいついていきたいね」と新井。疲労感を漂わせながらも充実の笑顔が見える。残り62試合。しばしの球宴ブレーク後、初の悲願を目指す戦いが、また始まる。

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