鯉4位転落…5割ターンへ負けられん
「中日2-0広島」(11日、ナゴド)
広島が連勝を逃した。打線が散発4安打と沈黙し、今季9度目の零封負け。借金3で4位に転落した。中日先発の八木をまたも打ちあぐね、好投のクリス・ジョンソン投手(30)を援護できず。緒方孝市監督(46)は“天敵”の攻略へ対策を練り直す方針を示した。前半戦の勝率5割ターンへもう負けられない。第3戦は必ず勝つ。
起死回生の同点2ランを期待する声援が、ため息に変わった。0-2の九回2死一塁。エルドレッドが、この日3つ目の空振り三振に倒れた。左翼席に陣取る鯉党が一斉に、メガホンを下ろす。散発4安打。今季9度目の零封負け。打線が沈黙した。
また八木にやられた。6回を3安打7三振で無得点。今季4試合目の対戦で1勝2敗、計23回1/3で1得点、対戦防御率0・39と大の苦手にする。左腕の対阪神戦防御率は9・00、対DeNA戦は同10・29。広島だけが“天敵”にしてしまっている。
緒方監督は「しっかりミーティングで指示を出したが、いい内容の打席が少なかった。内角を意識させる球を放られ、コースを幅広く使われ、低めに集められた。こういう結果なので、対策の上をいかれた、ということでしょう」と悔しがった。
湿った打線に引きずられ、守備と走塁でもミスがあった。五回無死一塁、一走・ルナの盗塁を刺そうとした石原の送球を、田中がはじく失策を犯し、無死三塁とピンチを広げた。ジョンソンは五回は無失点に耐えたが、六回につかまり、2点を許した。
0-0の六回は、2死一、二塁から二走・丸が好スタートで三盗を敢行も、投球がワンバウンドになったのを見て二塁を狙った一走・シアーホルツがタッチアウト(記録は盗塁死)になった。指揮官は「守りのミスで五回に労力を使わせてしまい、その後の流れが悪くなった」と嘆いた。負の流れが加速していった。
さらに後半戦ヘ向けて、八木という“天敵”も頭痛の種だ。指揮官は「苦手としながら、今年攻略した投手もいる。チームとして、次こそは、という意識で戦いたい」と誓った。昨年まで通算1勝8敗の阪神・藤浪に今季2勝0敗、同様に通算1勝7敗の巨人・菅野に今季2勝2敗と意地を見せている。今年はやられっ放しでは終わらない。
この敗戦で、チームが目標とする前半戦5割ターンには残り3戦3連勝しかなくなった。勝利が必須の第3戦。鯉の反発力を示す。
