ジョンソン無敵マツダ神話が崩れた

 「広島1-2DeNA」(16日、マツダ)

 広島のクリス・ジョンソン投手(30)が、7回7安打2失点と好投しながら今季初黒星を喫した。四回、バルディリスに左越え2ランを被弾。マツダスタジアムでの初めての失点が重くのしかかった。チームは首位DeNAに連敗し、借金5となった。

 球場全体が悲鳴に包まれた。高く舞い上がった白球が、左翼席に消える。ジョンソンが、マツダスタジアムで初めて許した得点。失投を捉えられた一発が、そのまま今季初の黒星に直結した。

 「ミスだった。状態は良かったし、それまではいつも通りストライク先行で投げられていたけど、1球のミスで先制点を与えてしまった」。痛恨の1球。悔しさを押し殺すように淡々と振り返った。

 0-0の四回1死一塁で、打席にはバルディリスだ。カウント2-1から内角を狙った直球が、ど真ん中に入った。「もったいなかった」と畝投手コーチ。前日にも逆転2ランを放っている好調な助っ人が、見逃してくれるはずはなかった。

 本拠地では無類の強さを誇ってきた。この試合まで3試合に登板し2勝。失点もゼロだった。この2ランで連続無失点は26回で止まった。

 それでも失点はこの2点のみ。「あの1球を引きずって試合を壊しても自分の仕事にはならない」と気持ちを切り替えた。五回以降は丁寧に低めにボールを集めた。終わってみれば7回7安打2失点。今季初黒星は喫したが、防御率は0点台の0・93だ。畝投手コーチは「自分の仕事をしっかりとやっていれば、今後勝ち星は転がり込んでくる」と期待を寄せた。

 チームは連敗で借金は5に膨らんだ。5月上旬は6連勝するなどしたが、いまひとつ波に乗れず我慢のときが続く。

 「次の試合は必ず来る。自分はしっかりとした準備を進めるだけだ」と助っ人左腕。黒星に悔しさは募るが、勝敗に一喜一憂しない。気持ちをリセットできる強さが、ジョンソンの武器でもある。

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