黒田圧巻39球!凱旋登板は13人完全

 「オープン戦、広島1-0ヤクルト」(8日、マツダ)

 広島の黒田博樹投手(40)がヤクルトとのオープン戦(マツダ)に先発し、日本球界復帰後初の対外試合登板を果たした。3月上旬としては異例の2万2942人が詰めかけた一戦は、4回1/3を投げ、打者13人を39球で打ち取るパーフェクト投球。初回を5球、約1分で抑えると、59分間の衝撃のワンマンショーを演じ、総立ちのファンに迎えられ降板した。開幕まで残り3週間。24年ぶりのVへ頼もしい男が帰ってきた。

 一塁ベンチへ歩き始めると、ファンは総立ちで帰りを迎えた。「ありがとう」の声が次々響くスタンドに、ボールを投げ入れて応える。鳴りやまぬ拍手、声援。黒田はやはり、黒田だった。圧倒的な力を誇示した39球。07年9月27日・ヤクルト戦(広島)以来、2719日ぶりの凱旋登板は、あまりに衝撃的だった。

 初回。先頭の藤井を初球、外角のツーシームで二ゴロに打ち取ると、川端は2-0からスプリットで遊ゴロに。ミレッジにも初球、内角高めのツーシームで三飛に斬った。わずか5球。三者凡退に2分もかからなかった。

 ノーワインドアップから「幅が広がった」と話す、新球カーブでカウントを稼ぎ、ツーシーム主体の配球。真骨頂は四回、藤井の打席だ。2ストライクからの3球目、左打者の内角に同球を投じた。ボールからストライクゾーンに入る、通称「フロントドア」で、圧巻の見逃し三振斬り。手も足も出させなかった。

 「たまたまハマっただけかもしれませんが、あれが変化せずボールになっても僕はいい。打者からするとすごく難しいと思う」

 39球中、ボールはわずか9球。打者13人のうち11人に初球、ストライクを投げた。「打たせて取るのが自分のスタイル。アグレッシブな打者が多く、ある程度、自分の投球はできたかな」。ヤクルトとの開幕3戦目の登板が決定的で、前哨戦となった一戦。五回のマウンドで畠山との対戦を志願し、4番を空振り三振に抑えて降板した。

 試合開始3時間前に球場到着。チームの全体練習はすでに始まっていたが、自身の「ルーティン」に専念した。メジャーでは一般的だが日本では珍しい調整法。「それをやれば責任に関わってくる。けどその方がベストなら、そっちの方がいい」と覚悟を口にした。今後は「チーム方針に従う」としたが1試合、1球に対するこだわりを見せた。

 「鳥肌が立つくらい素晴らしい投球だった。一回りも二回りも大きくなった」。緒方監督も賛辞を惜しまなかった。次回は中6日で15日・オリックス戦(マツダ)に先発予定。「結果オーライの球もあった。また次につなげていきたいです」と黒田。開幕まで残り3週間。本領発揮は、まだまだ先だ。

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