戸田が3回0封!ポスト大竹に名乗り

 「練習試合、西武2-4広島」(15日、南郷)

 広島の2年目左腕・戸田隆矢投手(20)が、ポスト大竹に名乗りを上げた。15日、宮崎県南郷町で行われた西武との練習試合に2番手で登板し、3回1安打無失点と好投した。今季10勝を挙げた大竹寛投手(30)が、国内FA権を行使し、退団が濃厚。来季は右腕に代わり、開幕から先発ローテ入りして勝利を積み重ねることを誓った。

 ナインに出迎えられると笑みがこぼれた。今キャンプで取り組んできたことが、結果になった。「しっかりと投げることができた」。戸田は自らに合格点を出した。

 2番手で四回から登板。先頭の鬼崎に死球を与えたが、崩れなかった。米野を遊ゴロ併殺に打ち取るなどで、この回無失点。六回は2死二塁を切り抜けた。「腕を振って投げられた」。最速143キロの直球を軸にスライダー、チェンジアップを低めに集め、レオ打線を手玉にとった。

 今キャンプでは、肘が下がるフォームの修正に取り組んだ。「変化球を曲げようと意識し過ぎるあまり、自然と下がるようになっていた。腕が振れなかった」。自身の投球動画をチェックするなどで、矯正に励んだ。

 この試合でも、課題はクリアした。「試合の中で修正できるようになっていた。これまでになかったことだね」と山内投手コーチ。キャンプの成果を結果で示し、首脳陣にも好印象を与えた。

 今季は期待されながら3試合の登板で0勝1敗。防御率は12・46に終わった。3年目の来季は、開幕からの先発ローテ入りを最低限の目標に掲げる。

 今季10勝を挙げた大竹が12日に国内FA権の行使を明言。他球団への移籍が濃厚となった。1軍帯同時にはカーブの投げ方を教わり、さらに「ファームと1軍では寝る時間帯が違う。しっかり寝た方がいい」と、生活面でのアドバイスももらった。

 先輩右腕の退団には寂しさが募るが、自身にとっては大きなチャンス。「(開幕から)先発ローテを勝ち取れるように頑張りたい」と“ポスト大竹”に名乗りを上げた。

 毎年、先発左腕不足がチームの課題だ。その懸案事項を、背番号「53」が解消してみせる。

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