マエケン血マメがなんだ!ド根性王手

 「セCSファーストS第1戦、阪神1‐8広島」(12日、甲子園)

 広島が初のCS初戦で虎に完勝。ファイナルS進出へ王手をかけた。先発の前田健太投手(25)が右手中指に血マメをつくりながらも、7回1失点と力投。打席でも2安打を放ち、投打でチームをけん引した。打線も3本塁打が飛び出す一発攻勢で応えた。CSファーストS1戦目に勝利したチームの同S突破率は83%。一気に決める。

 満身創いの体にムチ打ち、前田健は気力を振り絞った。4‐1の七回だ。シーズン中から抱える背中や腰の張り。何度も腰を回し、体をひねり、和らげようとした。

 野村監督は自らマウンドに行き「この回までだ」とゲキ。エースは気迫で応えた。2死一、三塁、最後は日高を投ゴロに仕留めると、グラブをたたき2度も絶叫した。

 右手中指には血マメもできていたが、ド根性で耐え抜いた。105球、7回5安打1失点の虎斬り。夢のCS初登板で歴史的な1勝を刻んだ。

 「WBCくらい気持ちは入った。国を背負う方が緊張しますけど…」。侍のエース格として世界を相手に戦い、大会のベストナインにも輝いた右腕。短期決戦はやはり無類の強さだった。

 シーズン最終登板となった6日のヤクルト戦(マツダ)で6回5失点。不安を残したが、この日、先頭・西岡への初球でいきなり151キロ。「あの1球で行けると思った。久しぶりに気持ちよく投げた」と全開。今季対戦で4勝1敗、防御率0・40の阪神を寄せ付けなかった。

 投球だけではない。打席でもチームを鼓舞した。1‐1の五回先頭では藤浪から右前打を放ち、キラの決勝3ランを呼び込んだ。4‐1の七回にも追い込まれてから7球粘り右前打でマルチ。「いつも本気で打席に入っている」と胸を張った。

 プロ入り以来、常に上を行く男がいる。今季24勝無敗の同級生、楽天・マー君。「僕は二十何連勝とか無理」。「防御率1点台の人はいる」と前田健は意識する発言を繰り返した。球宴で初対決した際も完敗し「シーズンじゃない」と負けん気をむき出し。ともにCSを駆け上がれば雌雄を決する戦いは実現する。

 前日「このメンバーで歴史を変える」と、宣言した通り、ファーストS突破王手。野村監督は「エースが引っ張ってくれた。ずっと無理してきている」と最敬礼した。

 三塁アルプスから左翼席は、甲子園でありえないくらい真っ赤に染まった。「大勢のカープファンが力になった。今、チームとしての戦いが一つになっている」とマエケン。過去6回のセ・リーグCSファーストSは、初戦勝利したチームが5回突破している。その確率83%。東京ドーム切符を一気に鯉がつかむ。

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