堂林“前田魂”継ぐ!プリンス復活誓う

 広島・堂林翔太内野手(22)が1日、由宇球場で行われた2軍のソフトバンクとの練習試合で実戦復帰した。8月20日の中日戦(長良川)で左手第3中手骨を骨折。3打数無安打に終わったが、復帰への第一歩を歩んだ。リハビリ中に、今季限りで引退する前田智徳外野手(42)から“前田魂”を説かれた鯉のプリンス。その志を受け継ぐことも誓った。

 6週間ぶりの実戦で快音は響かなかった。3打数無安打。それでも復活へ向け切った再スタートに、堂林は「痛みはない。打席に立てたことが収穫」と、すっきりした表情をみせた。

 0‐0の五回1死一塁から代打で登場。4球目を打ち遊ゴロ。七、九回も凡退した。

 8月20日の中日戦(長良川)で左手に投球を受け骨折。チームがCS進出へ突き進む中での負傷離脱に、悔しさだけが募った。だが、心境は徐々に変化した。今季限りでの引退を決めた前田智の存在があったからだ。

 9月中旬の大野練習場。堂林は約3時間、前田智の話を聞いた。打撃フォームが固まらず苦しんだ今季。確固たるものを構築する一つの要素として、片手でのティー打撃を勧められた。

 「『左手を強くしないといけない。片手で(ティーを)打った方がいい』と言われました。『俺はそれを24年間続けた』とも言われた」。左手の弱さを自覚していた中での助言。一切妥協しなかった大先輩の言葉に胸が熱くなった。

 復帰したことで、12日からの阪神とのCSファーストSへの出場は可能だ。しかし「今やれることをやる」とフォーム固めを行う構えだ。

 この日の練習でも片手でのティー打撃を行った。「地道にコツコツやって自分の芯をつくる」。24年の現役生活にピリオドを打つ前田智から、今後のカープを背負って立つ堂林へ‐。背番号「1」の意思は受け継がれる。

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