鯉投、踏ん張った 岩見ら4投手が0封

 「広島5‐5巨人」(10日、マツダ)

 守護神不在が響いてしまった。広島は1点リードの九回、負傷離脱中のミコライオに代わり、永川勝が3年ぶりに抑えで登板。しかし1死後だった。ロペスにスライダーを左翼席に運ばれた。まさかの同点被弾。「チームに迷惑をかけてしまった。それしかない」。劇的な逆転勝利が、たった1球で白紙に戻ってしまった。

 八回までは見事な継投だった。七回には岩見が2年ぶりの1軍のマウンドで、2四球を与えながらも無失点。八回にはソコロビッチがクリーンアップに対し、会心の投球を披露。村田を遊飛に抑え、この日2本塁打の阿部をチェンジアップで空振りの三振。長野を三ゴロに仕留め、鮮やかな3人斬り。自分たちの役割はしっかり果たした。

 同点にされた後も、リリーフ陣は気合の投球を見せた。延長十一回にはベテランの横山が3連投ながら、2死一、二塁のピンチを乗り切った。延長十二回には不振の今村が2死満塁の絶体絶命の状況に追い込まれたが、最後は大田をフルカウントから空振り三振に仕留めた。

 野村監督は同点弾を浴びた永川勝を含め、粘り強く投げ抜いた選手たちを褒め称えた。「永川が三振を取ったときや、(今村)猛の最後1球の時のファンの歓声は、彼らを勇気づけたと思う」。これからもリリーフ陣は総力戦で必死につないでいくしかない。

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