野村鯉が執念!七回一挙5点で杉内KO
「広島5‐5巨人」(10日、マツダ)
4点ビハインドで迎えた七回だ。広島は六回まで1安打に抑えられていた杉内に襲いかかった。キラが中前打。松山、小窪が左前打で続き、無死満塁の絶好機をつくった。
ここで堂林は140キロ直球を振り抜き、右翼フェンス直撃の2点二塁打。続く倉は初球、138キロを逃さず捉え、右中間を破る同点の2点適時三塁打。38歳の激走は、怒とうの5連打となり、試合を振り出しに戻した。
代打・梵は三振に倒れたが、1番・ルイスが右前へ適時打を運び5点目。杉内をKOする、痛快な大逆転劇に今季最多3万2097人の観衆の熱気は最高潮に達した。
「甘い球をしっかり仕留められた。きのうのこともあって、もう意地というか、やるしかないと思って打った。取り返したとは思っていない」と堂林。倉は「来た球を思いっ切り打ち返したら抜けてくれた」と8年ぶりの三塁打を振り返った。
前夜は3‐4の八回に三ゴロを捕球した堂林が一塁へ悪送球の失策。さらに倉が左翼からの送球を本塁で落球する失策で同点。揚げ句、ソコロビッチのボークで決勝点を奪われ、逆転負け。ミスを取り返そうと集中していた2人は、男の意地をバットに乗せた。
野村監督は「ワンサイドになるところを、倉も堂林もいい集中。意地を見せてくれた。お客さんの声援に最後まで勇気づけられた」と、試合後は言葉に力を込めた。
