大逆転Vに導いた栗山監督の大胆采配 大谷二刀流、守護神の先発転向…

リーグ優勝を決め、大谷と抱き合う栗山監督(撮影・出月俊成)
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 「西武0-1日本ハム」(28日、西武プリンスドーム)

 日本ハムが最大11・5ゲーム差を逆転し、4年ぶり7度目のリーグ優勝を決めた。栗山英樹監督(55)は、ともに奇跡を成し遂げた選手の手で8度、宙に舞った。「感動しました」。その目には涙があふれていた。

 「ひとりひとりの選手たちが進化を見せてくれた。最後はどうしても勝たしてやりたかった…良かったです」

 固定観念にとらわれない采配で、チームを大逆転優勝へと導いた。その真骨頂が増井の先発転向。プロ2年目の11年から5年連続で50試合以上に登板し、昨季は39セーブを挙げた守護神。今季は開幕から本来の力を発揮できていなかったとはいえ、シーズン途中に、しかもほとんど経験のない先発に回すというのは、まず思いつかない手だ。

 しかし、栗山監督の狙いは完璧にはまった。8月4日のロッテ戦で今季初先発し、先発計8戦で6勝1敗。3戦目となった同月18日のオリックス戦で先発勝利を挙げると、ここから6連勝をマークした。投手陣が苦しい夏場で、しかも大谷が右手中指まめがつぶれて野手に専念しているピンチを救った。

 二刀流・大谷の起用法も、大胆さと慎重さを使い分けた。7月3日のソフトバンク戦は「1番・投手」で起用。投手の1番起用は異例中の異例だが、大谷の打撃の好調さ、そして投手としてのルーティンを考えての決断だった。大谷は初回、先頭打者で初球本塁打という離れ業をやってのけ、投げては8回無失点と、最高の結果を出した。

 7月に右手中指のまめがつぶれると野手に専念させ、8月は1試合も投げさせなかった。満を持して9月に投手に復帰した大谷は、21日のソフトバンクとの直接対決では8回1失点で9勝目を挙げ、チームを首位に押し上げた。

 そして翌22日は野手として「3番・DH」で起用。これまで登板翌日は疲労を考慮してスタメンから外していたが、大谷の「試合に出たい」という直訴を受け入れた。勝負どころでリミッターを解除し、ライバルとの直接対決に連勝。一気に突き放した。

 栗山監督は2012年から指揮を執ったが、それまで監督経験はもちろん、コーチ経験もなかった。しかし5シーズンで2度のリーグ優勝を成し遂げ、Bクラスはたった1度しかない。名将への階段を、確実に上っている。

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