敦賀気比が春連覇へ発進!山崎が初完封
「選抜高校野球・1回戦、敦賀気比1-0青森山田」(25日、甲子園球場)
敦賀気比(福井)のエース・山崎颯一郎投手(3年)が青森山田を完封し、史上3校目の春連覇へ好発進した。
頼りなさは消えていた。昨秋の神宮で独り相撲から悔し涙を流した姿はもう、なかった。ドラフト候補のエース・山崎が、最少リードを守り、甲子園初完封。史上3校目の春連覇へ「自信になりました」と風格すら漂わせた。
立ち上がりから最速143キロの直球に、“魔球”をミックスして青森山田打線をほんろう。落差の大きいカーブが持ち味だったものの「自分でも曲がるか落ちるか分からない」というスライダーで凡打の山、空振りの山を築いた。9奪三振に内野ゴロのアウトは12個。普段は厳しく接し、褒めない東哲平監督(35)も「あんな投球、初めて見ました」と称賛を惜しまなかった。
1年秋、練習試合で開始時間を知らずアップ無しでマウンドに上がった。結果は初回に8失点し、指揮官からカミナリを落とされた。それでも「何を言っても響かなかった」という天然キャラが突如、聖地で遂げた変貌-。巨人・山下スカウト部長に「タイプは藤浪。大化けする可能性がある」と言わしめた山崎が、連覇の原動力になる。