九州国際大付・山本 父と同じプロへ

 「全国高校野球・準々決勝、早実8-1九州国際大付」(17日、甲子園)

 本気で狙った。大量ビハインドの九回、1死走者無しで迎えた第4打席、九州国際大付(福岡)の山本武白志内野手は「最後だと思ったので。本塁打か三振でいいと思った」。高めの球をフルスイングしたが、やや詰まった打球は中堅の定位置付近で失速。気迫を込めた一撃はフェンスを越えなかった。

 準々決勝で敗退。それでも「人前で泣くのは好きじゃない。やりきったし、満足です」と試合後はすがすがしい笑みを浮かべた。そしてこう続けた。「去年は本当に悔しさしかなかったので」-。

 ちょうど1年前の甲子園、1回戦で3三振を喫した。そこから歯車は狂った。練習試合でも結果を出せず、今年4月には左手小指を骨折。「本当につらいことしかなかった」。それでもあきらめなかったのは聖地で借りを返したかったから。中学2年の夏、初めて九州国際大付の練習を見学した時、ガリガリだった体は、誰よりも早く、多くご飯をおかわりして大きな体に生まれ変わった。

 今大会で3本塁打を放った打撃は、移動の際もバットを離さず、感触を常に確かめながら作り上げた。父は現役時代に巨人で活躍し、ロッテで監督を務めた山本功児さん(63)。「自分の中で(進路は)決まってる。打撃をもっと鍛えたい」-。かつてVTRで見た、父のかっこいい背中を追い、ムサシはプロの門をたたく。

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