サモアで奮闘の元コーチ松山東にエール

 「選抜高校野球・1回戦、二松学舎大付-松山東」(25日、甲子園)

 21世紀枠で82年ぶり出場の松山東(愛媛)に、南太平洋に浮かぶ小さな島国から熱いエールが届いた。送り主は、昨年4月から10月まで野球部コーチを務めた横山祐輔さん(29)。今年1月に青年海外協力隊としてサモアに派遣され、現地の学校で体育指導のボランティア活動を行っている同校OBだ。

 横山さんからメッセージが届いたのは、大会開幕前日の20日。同校の卒業生でもあるJICA(国際協力機構)職員の松浦鈴香さんを通じ、甲子園球場で写真と一緒にナインに手渡された。

 メッセージの中で横山さんは「サモアの暑い日差しを浴びながら、みなさんに刺激を受け、私も頑張っています」と報告。甲子園に乗り込む選手たちに「持ち前の集中力で、泥臭く、相手に立ち向かってほしい」と期待を寄せている。

 同校野球部時代には主将も務めた横山さん。大学卒業後は講師として土居高に赴任し、6年間保健体育を教えた。野球部長も務めていたが、青年海外協力隊への参加を決意して昨年3月いっぱいで退職。ただ、派遣前研修が始まる10月までは時間があったため、堀内準一監督(48)から声をかけられ、半年間限定で母校野球部のコーチを務めた。

 横山コーチの熱心な指導ぶりは「良き兄貴分として、私と選手たちとの溝を埋めてくれた」と堀内監督を喜ばせた。

 「兄貴分」が加わったチームは昨夏の愛媛大会で準優勝。新チームとなった昨秋の県大会でも準優勝し、63年ぶりの四国大会出場、そして21世紀枠選出につながった。米田圭佑主将(3年)は「自分たちのことを理解してくれ、叱ってもくれた。横山コーチの力は大きかったと思う」と感謝した。

 今治西に敗れた昨秋の県大会決勝戦を最後に、横山さんはチームを離れた。堀内監督は餞別(せんべつ)として、自身が愛用していたノックバットを贈ったという。

 横山さんは現在、「レイフィフィカレッジ」で小、中学生への体育指導に情熱を注ぐ。サモアの国民的スポーツはラグビーで、野球はほとんど知られていない。同国で活動する2年の間にバットやボールなど道具をそろえ、人々に野球を広めたいとも考えている。

 「横山コーチは外国で挑戦している。自分たちも甲子園で精いっぱい挑戦したい」と米田主将。二松学舎大付(東京)との初戦は25日。異国で奮闘を続ける先輩に朗報を届けたい。

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