東陵・伊藤、津波と大火…見つかった相棒

 「選抜高校野球・1回戦、白鴎大足利9‐1東陵」(23日、甲子園)

 大津波と大火に見舞われた宮城県気仙沼市鹿折(ししおり)地区。東陵・伊藤匠哉内野手(3年)の自宅は土台ごと津波に流された。家族は無事だったが、変わり果てた故郷の姿に「もう野球はできないと思った」と伊藤は振り返る。

 2週間後。家があった場所から30メートルほど離れたところで、当時愛用していたグラブとバットが見つかった。「何もかも流されたと思っていたから、まさかと思った」。分厚く付着していた泥と重油を洗い流すと、希望がわいてきた。

 あれから3年。当時は想像もできなかった場所に立った。

 「被災地の方に全力プレーを見せたい」。強い思いが気負いとなったのか、初回の守備でゴロを捕り損ねた。記録はヒットになったが、それが先制点につながった。四回には中前打を放ち、七回には一、二塁間のゴロを横っ跳びで好捕した。それでも1‐9の大敗に「初回の守りが…」と唇をかんだ。

 震災直後、親戚宅を転々とした伊藤の一家は現在、自治体が民間住宅を借り上げる「みなし仮設」に住む。少しずつだが、生活は前進している。「地元の人たちが支えてくれたから甲子園に出られた。夏は勝ちに来たい」。感謝と決意を胸に気仙沼へ帰り、再び仲間と一緒に鍛錬を積む。

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