中日、中田賢残留へ4年の大型契約用意

 中日が、今季国内FA権を取得した中田賢一投手(31)に対して4年の大型契約を用意して残留交渉に臨むことが6日、分かった。金銭と人的補償の不要なCランクとみられる9年目右腕に対しては阪神をはじめ、ヤクルト、ソフトバンクなどの球団が既に調査を開始している。中田賢がFA宣言すれば、争奪戦は必至の状況だけに、中日は最大限の誠意を示して引き留めにかかる。

 12年ぶりにBクラスに転落した中日。巻き返しを期す来季に向け、新監督はまだ決まっていないが、投手王国の復活が懸案事項であることに変わりはない。そのためにも、中田賢の存在は欠かせない。

 今季は9月中旬の練習中に胸に打球を当て左第2肋骨を骨折。その後は出場選手登録を外れて登板なしに終わった。40試合に登板し4勝6敗、防御率3・40。突出した数字ではないが、セットアッパーとしても奮闘するなど、台所事情の苦しかった投手陣を支えた。

 そんな速球右腕を球団側は高く評価。肩肘の大きな故障もないタフな中田賢に対し、順調にいけば2度目のFA権取得となる2017年までの4年契約を用意した。それだけではない。仮に中田賢が他球団の評価を聞くべく、日本シリーズ終了後にFA宣言した際にも、柔軟に対応する。

 中日・井手球団代表は「過去にも谷繁が宣言して残留したケースもある。ノリ(DeNA・中村)だって宣言したけど、こちらは残留しても全然、構わなかった」と宣言残留を容認する姿勢。長期戦は覚悟の上でFA流出を食い止める構えだ。

 一方、中田賢自身は「ドラゴンズには当然、愛着はあります。今は、FA宣言するかどうかもまだ決められない状況です。自分の野球人生なのでじっくり考えて、悔いのない答えを出そうと思っています」と慎重な姿勢を示した。

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