【阪神ＪＦ】アランカール　手応え歴然　抑え利き斉藤崇師「問題ない」栗東ＣＷで３頭併せ首差遅れも切れは抜群

　「阪神ＪＦ・Ｇ１」（１４日、阪神）

　新馬戦－野路菊Ｓと連勝中のアランカールは１０日、栗東ＣＷで３頭併せ。僚馬２頭に首差遅れはしたものの、抑えを利かせながらも四肢のバネを感じさせる軽快な走りを披露した。無傷３連勝での戴冠へ視界は良好だ。栗東滞在中のアルバンヌもＣＷでダイナミックな走りを披露。スターアニスも時計＆動きともに抜群で好調をアピールした。

　無敗の２歳女王の座を目がけて、アランカールが軽やかに栗東ＣＷを駆けた。アルジェンテーラ（２歳新馬）、ヴァリージア（５歳１勝クラス）を前に置き、序盤はゆったりとした入り。直線で内に入れると、ラストは僚馬２頭にわずかに遅れたが、手応えの差は歴然だった。切れのある脚さばきで、６Ｆ８１秒６－３６秒９－１１秒８を軽々とマークした。

　持ち味の瞬発力は相手に合わせた分、控え気味だったが、道中は課題の口向きの難しさも見せず抑えの利いた走り。斉藤崇師は「時計は速くなりましたが、内を回っていますし、すごく楽な感じで並びに行くぐらいでしたからね。問題ないです」とにこやかにうなずき、そして自信を深めた。

　大舞台を目指せる能力、そして血が後押しする。福島の新馬戦を楽勝すると、今回と同じ舞台で行われた野路菊Ｓも圧巻だった。「スタートは遅かったですが、そこからのリズムはすごく良かった。直線も楽でしたし、いい勝ち方。瞬発力がありますね」。出遅れながらも、終わってみれば３馬身半差Ｖ。鋭く回転の利いた直線の切れ味は、１６年オークス馬の母シンハライトを想起させた。

　出世レースを制して挑む、約３カ月ぶりの一戦。指揮官は「少しずつ精神面もどしっとしてきた。走りの部分もガムシャラじゃなく、少しずつ調整ができるようになってきている」と学習能力の高さに目を細め、「小さい馬ですけど、すごくバランスのいい走り」と週末の雨予報も問題にしない考えだ。「来年に向けていい形で競馬ができれば。お母さんに追いつけるように頑張っていきたい」と力を込めたトレーナー。母がなし得なかった「２歳女王」の冠。それを獲りに行く準備は、もう整っている。