2025.07.15

【セレクトセール２５】今年のキタサン祭りは億越え１０連発！人気沸騰で「とにかくキタサン産駒が欲しい」の買い注文殺到

４億２０００万円で落札されたキタサンブラック産駒のモシーン２４　©Ｊａｐａｎ　Ｒａｃｉｎｇ　Ｈｏｒｓｅ　Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏｎ

　「セレクトセール２０２５」（１４日、ノーザンホースパーク）

　１歳馬のセリが行われた初日は２２７頭が上場。キタサンブラック産駒が４億２０００万円で落札された「モシーン２４」を筆頭に高額落札のベスト３を独占するなど、ミリオンホースが１０頭誕生した。（株）ダノックス、サイバーエージェント社長の藤田晋氏はそろって１０億円超の“爆買い”。史上最高となる約１５５億円を売り上げるなど活況だった。（※価格は全て税抜き）

　一昨年、昨年と１歳セールの最高落札額を更新して注目を浴びたキタサンブラック。今年も主役の座を譲ることなく、まさにお祭り騒ぎだった。

　１１頭の上場馬全てが落札されたのは当然だが、先陣を切ったイーヴンソー２４から、どとうの億超え１０連発。唯一、大台を下回った牝馬（イーデンキー２４）でも７０００万円の値がついた。１頭平均は２億２５４５万円。昨年こそ１億円超えが５頭だったが、もはやキタサンブラックの牡馬は「少なくとも１億円、通常２億円は出さないと手に入らない馬」になった。

　昨年までは「キタサンブラックの中から飛び抜けていい馬を探して競る」という市況だったのが、人気沸騰で「とにかくキタサンブラック産駒が欲しい」という買い注文が集まるという、新たなフェーズに入った。

　もちろん、突出した高額馬もキタサンブラック産駒から。この日の最高落札額はモシーン２４の４億２０００万円。半姉プリモシーン（父ディープインパクト）が２０年東京新聞杯など重賞３勝を挙げれば、半兄ダノンエアズロック（父モーリス）は２２年１歳セールで４億５０００万円、同じく半兄のコジオスコ（父エピファネイア）は２２年当歳セールにおいて３億円で落札された。競走成績、そして高額落札ともに実績十分な繁殖牝馬との配合なら、この金額まで競り上がるのも当然だ。

　現役時代に管理した清水久師も「みんなブラックの子が欲しいんでしょうね。イクイノックスが海外でもあれだけ走って、今度はダービー馬（クロワデュノール）が凱旋門賞へ。そこですごいレースをしたら…。もう次は、海外から種付けしに来るんじゃないかな。ディープインパクトがそうであったように、海外から一級の牝馬を連れて来るようになるだろうね」と、このフェーズの切り替わりを喜んでいる。

　国内種牡馬の勢力図を塗り替えつつある国民的名馬は、いよいよ世界的大種牡馬へ歩みを進めていくのかもしれない。