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【チャンピオンズC】レモンポップ 有終連覇 絶妙ペースで10センチしのいだ 田中博師は涙止まらず

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 「チャンピオンズC・G1」(1日、中京)

 砂の王者が有終の美を飾った。1番人気のレモンポップが敢然と逃げ、ゴール前は大接戦となったが、鼻差しのぎ切り、連覇でラストランを締めた。これでG1級6勝目。最終レース後には坂井瑠星騎手(27)=栗東・矢作=ら関係者とともに引退式が行われた。2着に2番人気のウィルソンテソーロ、3着に9番人気のドゥラエレーデが入り、昨年と1~3着まで同じ着順となった。

 万感のラストランだった。主導権を握ったレモンポップが昨年と同様に逃げ切り、現レース名になってからは初の連覇を達成した。これで国内のG1級レース6戦6勝。有終の美を飾り、鞍上の坂井は左腕を何度もファンに向かって突き上げた。「背中にいられたことを誇りに思います。引退しても忘れることのない一頭になりました」。別れを惜しむように、最高のパートナーに感謝の言葉を贈った。

 絶好のスタートを決めると「来るなら来い」とハナを主張した。前半1000メートルは1分0秒8。昨年より0秒1だけ速い絶妙のペースを刻むと、抜群の手応えのまま直線へ。「これで差されるなら仕方ない」。必死に追う鞍上の気迫に応え、最後はウィルソンテソーロの猛烈な追い上げを、わずか10センチしのいだ。

 絶対王者として注目され続ける存在だったが、今年は順風満帆ではなかった。田中博師が「膨らんだ風船が破れそうな感じ」と評するように、抜群の仕上がりだった昨年のチャンピオンズC後は精神面の不安がつきまとった。「馬場入りで今までにない挙動を見せたり、調教で2歳馬に遅れたり。気持ちの部分で衰えを感じていました」。今回も抜群のコンディションでレースに送り出したが、あとは馬の気持ち次第。信じるだけだった。

 それだけに最後の激闘を見届けた師は涙が止まらなかった。「勝ってくれた喜びと申し訳ない気持ちと…。いろんな思いが込み上げてきました」。厩舎に初の重賞、G1をもたらしてくれた看板馬に、「最後までいろいろなことを教えてくれた先生でした。お疲れさまとありがとうという言葉しかないですね」と言葉を紡いだ。

 最終レース後には多くのファンや関係者に見守られ、ウイナーズサークルで引退式が執り行われた。「G1(級)6勝は全て思い出深いですが、きょうが一番うれしいし、ほっとしました」とほほ笑んだ坂井。ダート界にその名を刻んだレモンポップ。今後は種牡馬として、そのあふれるスピードを子どもたちに伝えてくれるはずだ。

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  1. 競馬新聞「馬サブロー」

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