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【尾形充弘元調教師のザ・戦評】“テンよし、中よし、しまいよし” イクイノックスに敵なし

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 「天皇賞(秋)・G1」(29日、東京)

 1番人気に支持されたイクイノックスが、1分55秒2の衝撃レコードで連覇を達成。破竹のGⅠ5連勝を決めたレースを元JRA調教師の尾形充弘氏(76)が振り返った。

  ◇  ◇

 戦前からこの馬を負かすライバルは今回の相手にいないと話していたのですが、改めて、イクイノックスは日本代表する馬だと思いましたね。

 前半1000メートル通過は57秒7。これは逃げたジャックドールとしては平均ペースだったと思います。勝ち馬はこの流れを3番手で追走しても力むことがない。まさに“テンよし、中よし、しまいよし”。レコードも素晴らしいですが、レースの2F目からゴールまで1F11秒台を続けて楽勝したのですから、すごい走りでした。

 戦前から注目していたジャスティンパレスが2着。勝負所でプログノーシスが先に動いたことで、一番外を走らされる形になりながら、最後はいい脚で迫りました。本当に力をつけている印象。2着でも“アッパレ”という競馬でした。

 その半面、イクイノックスをマークしたドウデュースは7着に敗れました。しっかり仕上げてきたと思うのですが、パドックで少し緩く見えたのです。緩いと好馬体は紙一重なので、こればかりは仕方ありませんが…。それでも、これだけ馬体に迫力のある馬はそういません。そういう意味でも、ここを使えば一線級の舞台で戦えるようになるでしょう。

 ルメール騎手がヘルメットを取って陛下にご挨拶した場面には感激させられました。最後に、残念ながらケガで乗れなかった武豊騎手の早い回復を願っています。

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