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【尾形充弘元調教師のザ・戦評】ハイペースにうまく横山武君が対応した

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 「皐月賞・G1」(16日、中山)

 2番人気のソールオリエンスが後方2番手から大外一気。史上最少キャリア3戦目(2歳戦が実施された1946年以降)で、クラシック1冠目をものにした。2着に5番人気のタスティエーラが入り、3年連続で関東馬のワンツー決着。1番人気のファントムシーフは落鉄が響いて3着に終わった。

  ◇  ◇

 1、2着馬は調教でとにかく動きが良く見えた2頭でした。軍配が上がったのはソールオリエンス。当日は晴れ間がのぞき、思った以上に芝が早く回復したのですが、それでもグラニットがつくり出した前半1000メートル58秒5というのは相当に速い。このハイペースにうまく、横山武君が対応しましたね。

 好スタートを決めたにもかかわらず、ペースを予期してすぐにポジションを後方へ。4角では最後方近くでした。正直、これは届かないかなと思ったのですが、真ん中からさらに外を通って目が覚めるような末脚。こういう乗り方ができるのは、かなりの度胸だと思います。それに馬もしっかり応えたということですね。

 個人的には2着タスティエーラの松山君にアッパレをあげたいです。悪い馬場を考慮して絶妙な位置に構え、半マイルから勝負へ。結果としてハイペースを利した勝ち馬に勝利の女神がほほ笑みましたが、何としても勝とうという、騎手の気概が感じられましたね。

 3着ファントムシーフは馬っぷりが良く見えました。良馬場なら違った結果になったかもしれません。勝ち時計は2分0秒6。勝負づけが終わったわけではないでしょう。ファントムも含め、ダービーで巻き返してくる馬はいると思います。(元JRA調教師)

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